一冊の魔術文献『ダーケスト』という本があった。


16世紀から20世紀の半ばまでカトリック教会によって作成されたリストで、カトリック教会と信徒に対して危険を及ぼすとみなさ掲載されている。



『ダーケスト』が初めて作成されたのはローマにおいてではなく1529年のネーデルラントだった。



時が、経つにつれて『ダーケスト』は偉大なものになった。
ここは、妖怪が妖術を使い、魔術師が魔術を使う世界。


妖怪は魔術が扱える魔術師を嫌っている。


魔術師たちはこの世界から妖怪を消そうとしている。

いつも争いが絶えなかった。


そこに、一冊の魔術文献が存在した。

それが、争いの火種になる。
妖怪と魔術師の。
以来、狐は夜道の守り神となり、人々が迷ったり危ない目に遭ったりしないように、姿を消し、その人にしか聞こえない声で道を教え、無事に送り届けるようになった。


以来、その辺りでは誰も夜道に迷わなくなり、送ってもらった人々に感謝の意を込め、狐の好物の油揚げや赤飯を供えた。



いつしか誰となく狐を「送り狐」と呼んだ。