クルンテープの裏庭で 2 -2ページ目

クルンテープの裏庭で 2

バンコクやパタヤの裏庭で遊び歩いて考えたことを自分勝手に…

バンコクのラチャダーピセークという地区に
ハリウッドという大箱のディスコがある
日本でおじさんがディスコ、いまどきのクラブに行くことはないが
ここは商売系の子が客を連れて遊びに来るので
老若男女が華やかなステージを楽しんでいる


午前2時の閉店時間になり
連れのゴーゴーボーイのNOKと一緒にタクシーに乗って
泊まっているホテルに帰ってきた

かなり酔っているのを感じながら
靴を脱ぎ
ジーンズのポケットからライターや小銭を
テレビの載ったテーブルに置くと
ベットに倒れむように横たわった


NOKは靴を脱ぐと
そのままバスルームに消えた

再びドアが開くとNOKが
「ナツ?一緒にシャワー浴びよう」
と声を掛けてきた
「あとでいいよ」
と答えると、すぐにドアが閉まった

しばらくするとシャワーの音が聞こえてきた
俺はテレビのリモコンを取り
チャンネルを回してBGMだけのプログラムに合わせた


NOKがシャワーを終えると
入れ替わりに俺もバスルームでシャワーを浴びた

バスルームを出ると
すでに部屋の照明は消され
NOKはベッドのシーツの中にいた
俺は、NOKの横に滑り込む


「あ~、今日もたくさん飲んだね」
と俺はNOKに顔を向けながらつぶやいた
NOKも俺の方に顔を向けた
「YES」

お互いの頬を重ね、舌と息でノックの耳を嬲る
「あっ・・・、ダメ・・・」
ノックの頬は、プニュプニュとしていて軟らかい


「ねえ、・・・ナツ」
目を閉じながら、あごをのけぞらせて耐える表情を見せている
「ん?なに?感じてるの?」

「・・・ヒゲ、痛い」

「あっ、ごめん」

「ヒゲ、剃ってきて」

「今?」

「YES」


嫌だと言われちゃ、しょうがない
ベッドから抜け出し
サイドテーブルに掛けておいたバスタオルを腰に巻いて
バスルームに入ってシェーバーでひげをそった
ちょっと、なんとも間抜けなオレ

バスルームから出てベットに目をやると
白い上掛けを首まで手繰り寄せたNOKは
オレの方を見ていた


冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、サイドテーブルに置いてあったグラスに注ぐ
なんか、気分が萎えてしまったかな・・・
と思いながら、ベッドサイドに腰掛けノックの方を見ながら三口ぐらい飲む

ノックが手を伸ばす
水が欲しいのかと、グラスを差し出すジェスチャーをする
ノックは、首を振る

「ナツ、きて」


バスタオルを外して、ノックの横にもぐりこむ
ノックの手が、オレの頬をなぞり

「OK」

と微笑む

オレは、その手にガブリと噛み付きじゃれる


「痛い」
としかめっ面をして、手を引っ込める

「ナツの誕生日は、いつ?」
シーツの中で、二人の手が泳ぐ
「どうして?」
「僕は、来月の13日なんだ」

あぁ、プレゼントのおねだりか
と心の中で呟く


「ふ~ん、そう。オレは、今日だよ」
「うそ!?」
ノックがガバッと体を起こして、オレの方に振り向く
「なんで、教えてくれなかったの?」
「この年で、誕生日なんて気にしない」
「ハリウッドでハッピーバースディって歌ったときに、
教えてくれれば良かったのに」
「恥ずかしいもの」
「ナツは、いつも恥ずかしがる」
「だって、本当に恥ずかしいから」

「ナツに、これをあげる」

ノックは、自分の指にしていたリングを外しオレの手をとって
そのリングをはめてくれた
「貰えないよ」
「大丈夫」
ニッコリと微笑む

「ナツの指は細いから、サイズがぴったりでよかった」
「でも、これはお母さんに買ってもらったものだから、大切にしてね」
「やっ、返すよ」
「ナツに持っていて欲しい」


リングの重さを量りかねながらも
眠気の襲ってきたオレは
ベッドの海に沈みこんでいった

1