りーちゃんが原宿デビューした日、元々は夜も外食にしてお兄ちゃんを合流させるつもりだったのだが、人混みの中で疲れてしまったマミとダディ。何か適当に買って済ませることにした。
実は近所の住宅街の中にポツンと、地元では有名な魚屋さんがある。我が家もこちらで、お刺身とか干物とかをしばしば購入している。この日はお刺身のほか、生牡蠣があったので、晩ごはんにいただくことにした。
夕食のテーブルにはこれらが並んだのだが、お兄ちゃんはおそらく、これまでに生牡蠣を食べたことがない。「なにこれ?」から始まり、食べ過ぎると当たるけど今日は1人一つだから大丈夫だよ、などと一連のありきたりな説明がなされた。
親たちの説明にはあまり納得しないまま、恐る恐る牡蠣を食べるお兄ちゃん。「本当にうまいの?」「これがぁ?本当かなぁ」などとあれこれ言いながら食べたが、「これ、うまいっていうのかなあ」と口に入れても半信半疑だ。
さらには「牡蠣に当たるとしたら、どれくらいの時間で当たるの?ちょっと腹痛い気がするんだけど」などと食べてから1分でおっしゃる、面白い我らがお兄ちゃん。そんなに早く当たったら、ギネス世界記録であろう。
そんなお兄ちゃんを横目にりーちゃんは、美味しいと聞いて、牡蠣を食べたくて仕方がない。「ダディがとってあげるよ」と言っているのに、がっついて自分で殻から外そうとする。案の定、貝柱のところがうまく取れなくて悪戦苦闘するのだが、「それは取れないんだよ」と言われても諦めずに、何度かトライしていたのだった。
殻から外すとあっという間に食べたりーちゃん。お兄ちゃんのような恐れは微塵も見せず、躊躇なし。美味しいもの、と聞いたら誰が止めようがなんとしても食べたい、りーちゃんである。
結局、家族各々が一つずつ牡蠣をいただいたこの日のりーちゃん一家。翌日も全員元気で、当たることなど全くなかったのでした。