りーちゃんのお兄ちゃんは大学生で、長い夏休みがちょうど終わり、後期が始まったところである。


夏休みを利用して、免許合宿に行ったお兄ちゃん。無事に済ませてきて、あとは学科だけらしい。しかしまだまだ、お兄ちゃんに運転を任せるのは怖い、マミとダディである。


合宿の間に食事の写真を見せてもらったが、わりと少なめだった。ご飯と味噌汁はおかわり自由とのことなので、足りないことはなかったようだが、一応運動部に属するお兄ちゃんにとっては、おかずが少し寂しい感じだったのだ。


そこで合宿中から、帰ってきたら家族で焼肉に行こう、という話になっていた。近所ではないが、車で小一時間ほどのところにとても安くて美味しい焼肉屋さんがある。そこではいつも大満足できるので、我が家は焼肉と言えばそこに行くようになった。


とても人気店で予約はできないので、今回は開店時刻に合わせて行ってみることにした。しかしすでに長蛇の列で、1回転目に入ることはできず。仕方がないので順番受付だけして、近所で時間を潰すことに。


焼肉屋さんの駐車場を出て、車で某衣料品店に向かったりーちゃんご一行。マミはりーちゃんのお姉さんパンツを買いたく、お兄ちゃんも服を見たいということで、りーちゃんとダディだけ車の中でお留守番。


そこでダディがふとりーちゃんの顔を見ると、なんとも言えない悲しげな顔をしている。「えぇ〜」と不満気に嘆いているように、口を半開きにしてこちらを見つめているのだ。思わず吹き出してしまうダディ。笑いながら「どうしたの?」と尋ねると、「もー、おにく たべたい!」とお怒りになるではないか。


そういえば今日の焼肉はみんなで楽しみにしていて、りーちゃんにも「お肉、行こうね」「お兄ちゃんが帰ってきたら、一緒にお肉だね」と散々煽っていたのだ。そして長いドライブを経てようやくお店に着いたと思ったら、まさか食べずに(一旦は)立ち去ることになって、りーちゃんは愕然としていたのだろう。


「大丈夫だよ、このあと食べに行くよ」と宥められて、おそらくなんとか納得(?)してくれたりーちゃん。結局は2時間近く待つことになったのだが、待ちくたびれて車の中で寝てしまった。


それでも「お肉だよ!」と声をかけられて飛び起きたりーちゃん。もちろんモリモリと大人並みに食べたのでした。


りーちゃん、食べるの大好きだもんねぇ。こういう時はちゃんと説明してあげないといけませんなぁ。