これまでにもよく話題にしているが、りーちゃんは気が向くと台所に立ちたがる。


いつもというわけではない。簡単な作業があるからやらせてみようと思い、「りーちゃん、お手伝いしてくれる?」と声をかけると、たいていは遊びに夢中でやってくれない。


逆に、声をかけない時におもむろに思い立って、キッチンにやって来たりする。それも、忙しくてバタバタしている時に来たりする。あるいは誰もいないキッチンで、なにやらやりたい作業を始めてしまうこともしばしばである。


この日がまさにその後者だった。りーちゃんは普段から冷蔵庫を開け閉めして、食べたいものを物色している。ダディが遅く帰って来てマミと話をしながらご飯を食べていると、りーちゃんが1人でキッチンに向かい、何かしている。しばらくはマミもダディも気がつかなかった。


危ない道具を自分から使うことはほぼないのだが、ちょっと心配なので声をかけて様子を見に行くマミ。するとりーちゃん、少し前にばあばが持ってきてくれた桃の存在を覚えていたようで、その皮を剥いていた。


しかも、桃を剥くためのピーラーがあるのだが、それを使って器用に、綺麗に剥いているのである。ダディはそもそも、そのピーラーの存在すら知らなかった。りーちゃん、いつの間に知っていたのでしょう。


皮を剥いたあとは、プラスティックの包丁を使って桃を丁寧に切り分けたりーちゃん。種の部分はシンクの上で美味しそうにかぶりついていた。


りーちゃんが上手に切ってくれた桃は、この上なく美味。思いがけず美味しいデザートをいただいて、親子3人、幸せな夜を過ごしたのでした。