これまでにもファッションに対するりーちゃんの並々ならぬこだわりをご紹介してきた。それが予測不能で、気にいるだろうと思って購入した服を一度も着てくれないという事態も珍しくない、ということも書かせていただいた。


この日の朝はりーちゃんが得意の早起きをしたので、時間に少し余裕があった。朝ごはんを食べ終わり、「りーちゃん、お着替えかな」と促すと、おもむろに服を取りに行くりーちゃん。ここまでは順調である。


しかし着替え始めたりーちゃんをふと見て、マミとダディは口を揃えた。「りーちゃん、それは暑いよ。今日は暑いから、そんなの着たら倒れちゃうよ。」りーちゃんはお気に入りのエルサのTシャツを着ようとしていたのだが、それは長袖なのである。


着たかった服を否定されて、不機嫌になるりーちゃん。マミが提案した別のお気に入りの半袖を、渋々ながら着てくれたのだが、通学に向かうまで「ああああ」「うううう」と何かと難癖をつけるのだった。


そう言えば、ダディは思い当たることがあった。前日の夜、りーちゃんの服をしまってある引き出しのすぐ近くに、りーちゃんの服が置かれていた。マミがしまい忘れたものだと思ってしまったのだが、思い出してみればこの朝、りーちゃんが着ようとしていた服と同じである。


そして、そうしたことがこれまでにも何度かあって、それを目撃するたびにダディはしまっていたのだ。どうやらりーちゃんは、前夜のうちに翌朝着たい服を出して準備していたようだ。それだけこだわりも強いのだろう。


できるだけりーちゃんの着たい服を着させてあげたいが、体調を損なうような服装は避けたい。暑い夏の間は、長袖を隠した方が良いかもしれませんなぁ。