その日、お風呂になかなか入ろうとせず、バービーを追加で要求したがためにダディがコップをひっくり返し、それで叱られることになったりーちゃん(こう書くと完全にダディが悪くて八つ当たりだ)。


叱られたあとは素直にお風呂に入ったが、その後の行動もまた面白かった。いや、面白がってはいけないか。でもなかなか興味深かった。


りーちゃんのパジャマや下着は、普段りーちゃんとダディが寝ている部屋にあるのだが、叱られた直後のせいか、四つん這いでそろーり、そろーりと部屋に入るりーちゃん。そぉーっと引き出しを開けて必要なものを取り出し、静かに居間へ移動。着替えを済ませて、この日はマミと寝たのだった。


翌朝はダディが早くからいなくて、二人が顔を合わせる機会がないまま、ダディが帰ってきた夜のこと。「ただいまー」「あ、おかえり」と、りーちゃんの反応はいつも通りで、叱られたことなどすっかり忘れているようだった。


そこでまた、イジワルなダディである。「りーちゃん、昨日、ダディにメッてされたねぇ」と語りかける。すると見る見る表情が曇り、下を向いてうつむいてしまったりーちゃん。あまりにわかりやすい反応だった。


慌ててりーちゃんに駆け寄り、「うぅーん」と言ってりーちゃんのアゴをさするダディ。すると3秒ほどで、りーちゃんも「うぅーん」と答えるのであった。「メッしてごめんね。もう大丈夫だよ」と語りかけて、仲直り完了である。


りーちゃんは知能が幼児並みのせいか、嫌なことがあってもあまり引きずることがない。それは親たちにとっても助かることである。いつも通りに接すれば、ちゃんと答えてくれる。なので、思い出させるようなことを言うのは、やっぱり意地が悪い。しかしどうしてもりーちゃんの反応を見たくなってしまう、両親なのである。


りーちゃんがとても健気なだけに、親たちの性格の悪さが目立ってしまう、我が家なのでした。