この日、ダディに頭をはたかれてびっくりしたりーちゃん。その後、ダディは用事があって帰宅がかなり遅くなったのだが、りーちゃんはまだ起きていた。

 

いつものように「ただいまー」「おかえりー」と挨拶をし、普段通りに接していたりーちゃん。だいぶ時間も経っているし、ダディに頭をはたかれたことは忘れてしまったかのようであった。そこでダディは、改めて言及したらどんな反応をするのか、見てみたくなってしまった。意地の悪い親である。

 

「りーちゃん、今日、ダディにパッチンされたね?パッチンしてゴメンね」と語りかける。するとりーちゃんの表情がみるみる曇り始めた。明らかに暗い顔になり、はたかれたことを思い出したようだ。それまでダディにくっついていたのに、ちょっと距離を取り始めた。

 

やっぱりちゃんと覚えていたんだねぇ。これ以上言うと泣き出してしまいそうな表情だったので、この辺でやめておいた。いつものとおりに「うぅーん」と甘ったるく語りかけると、ほどなくしてりーちゃんも再びダディにくっついたのだった。

 

あとから思ったことだが、りーちゃんは駐車場で隣の車を軽く叩く行為で、親の反応を見ようとしたのではないか。それまでも「急ぐよ、間に合わないよ」と少し緊張感のある空気だったので、「今ここで、私がこんなことしたら、ダディはどうするのかなぁ~」と試したのだと思う。もっとも、頭をはたかれるような結果になるとは、想像もしていなかっただろうけど。

 

そう考えると、2回前のブログで書いたような「計算」を、りーちゃんも少なからずしているのではないか、と改めて思う。りーちゃんの精神年齢は3歳ほどで幼いが、親の顔色を見る、あるいは親の反応を試す、といったことは、3歳程度の子どもでもすると思う。

 

前回の繰り返しになるが、ダディ自身もまさか、りーちゃんの頭をはたくことになろうとは思ってもいなかった。親としてまだまだだなと思うと同時に、子育てって、親も一緒に成長させてもらうのだなぁと、再確認した次第である。

 

そういえば思い出した。亡くなったダディの恩師はその道のエキスパートであり誰もが認める存在だったが、「死ぬまで勉強」とおっしゃっていた。親としてもきっと、死ぬまで勉強なのでしょうねぇ。