これまでに何度か書かせていただいているりーちゃんのダンス教室は、参加者は全員ダウン症である。年齢はあまり問わないようで、下は小学生から、上は大人のメンバーも多い。
前回の同じタイトルでご紹介した、りーちゃんたち「ダウンズ3姉妹」は、中2、中1、小6という学年になったため、それぞれ何かと忙しい。そのせいか最近は3人そろって参加することも少なくなってきて、ちょっと寂しい「3姉妹」である。
この日もりーちゃんは、3人の中で唯一、都会の会場での練習に参加した。普段の隣の市の会場と比べて、自宅からの距離はほとんど変わらないのだが、時間は1.5~2倍くらいかかる。
ほとんどのメンバーは、父母どちらかに付き添われて会場まで来ていることが多い。しかし我が家は、マミとダディが2人で付き添っているVIP待遇である。マミが今一つ車の運転を苦手にしているせいもあるが、りーちゃんが何らかのきっかけで不機嫌になりしゃがみこんでしまうと、どちらか一人だけではどうにもならないから、という理由もある。まあ、両親が揃っていても、りーちゃんを動かせるかというと、そうでもないのだが・・・。
いつものようにりーちゃんを送り出し、1時間のレッスンの間、親たちはお茶をして過ごした後、りーちゃんを迎えに行った。会場からはゾロゾロとお友達が出てくるが、りーちゃんはやっぱり、なかなか出てこない。これはいつものこと。りーちゃんは帰りのお支度も人一倍時間がかかるのである。人の流れが落ち着いてから会場内を覗いてみると、ちょうどりーちゃんが上着を着ようとしているところだった。
3姉妹でレッスンに参加している時は、いつも真っ先に一番下の子が出てきて、りーちゃんと一番上の子がなかなか出てこない。一番上の「センパイ(とダンスの先生たちが呼んでいる)」はりーちゃんに付き添ってくれていて、上着を着せてくれたり、バッグを持たせてくれたり、メンバーカードを代わりに受け取ってりーちゃんのバッグにしまってくれたりするのである。
しかしこの日のようにりーちゃんの単独参加だと、りーちゃんが自分で帰りの支度をしなければならない。しかしそれでも、時間こそかかるが一人でできるのである。りーちゃん、やればできるのに、いつも「センパイ」に甘えているのですなぁ。