りーちゃんを授かって、ダウン症児に関する知見が深まったマミとダディ。我が子のことはやっぱりいろいろと調べたりするし、お医者さんではあれこれ質問してしまうし、同じダウン症のお子さんがいると、親同士の情報交換がどんどんとディープになっていく。

 

いろいろと気づいたことはあるのだが、そのうちの一つは、一口にダウン症と言っても、個人差がかなりあるということだ。

 

例えばりーちゃんは、赤ちゃんの頃から唾液の量がめちゃくちゃ多かった。保育園に通っている間はスタイ(よだれかけ)が必須で、バッグにはお着替えと一緒に予備のスタイが常時4~5枚入っていたと思う。家の引き出しには数えきれないほどのスタイが備えられていた。

 

ダウン症児は比較的、舌が長く、口腔内は小さめであることが多いという。そのせいで唾液の行き場がなくて、出てきてしまうのかな、とマミもダディも思っていた。しかし同年代のダウン症のお友達を見ていると、りーちゃんほど唾液が出ているお子さんはほとんどいなかった。唾液に関しては、ダウン症児の中でもりーちゃんは特に出る方なんだな、と改めて認識したのである。

 

ちなみにりーちゃんのスタイは、小学生に入ってからもしばらくは必需品だった。古いスタイを引っ張り出してきて、久々につけてみようとしたら、きつくて全然無理だったこともある。やっぱり、りーちゃんは成長しているんだねぇ、とその時も実感させられた。

 

スタイを毎日着用しなくても大丈夫そうになったのは、小学校3年生くらいの時だったと思う。その頃になるとなぜか、りーちゃんがスタイを両手に持って振りながら踊る「スタイダンス」がよく見られるようになった。その後1年くらいかけて、スタイを全く必要としなくなるのと同じころ、りーちゃんの中でスタイダンスも廃れていった。

 

ただ、だからと言ってりーちゃんの唾液の量が極端に減るということもなく、現在に至っている。また、ごくまれにではあるのだが、りーちゃんは気に入らないことなどがあったときに、突然「よだれ爆弾」を投下することがある。外ならともかく(いや、外でもやめてほしいのだが)、家の中でも突然下を向いて、よだれを落とすのである。もしかしたら口の中に違和感があってそうしているのかもしれないが、なんとなく、わざと(嫌がらせで)やっているように思えなくもない。

 

まあでも、よだれが多いということは、口腔内の水流が発生して虫歯になりにくいとも聞いたし、何より風邪の原因となる喉の乾燥を防げるかもしれない。悪いことばかりではないと思うが、「よだれ爆弾」はちょっとお行儀悪いので、やっぱりやめてほしいですなぁ。