知能的にはおおよそ3歳児程度と思われる我が娘りーちゃん。現在、中学1年生のダウン症児である。

 

まだ知能の面でも成長過程にあると思われるが、その証拠と言って良いのか、言葉に関しても、ゆっくりながら一つ一つ成長を見せてくれるりーちゃんである。

 

時間の概念を理解することは、りーちゃんにとってなかなかハードルが高いようだ。7月に同じタイトルの「その3」で、りーちゃんの「きょっ(今日)」について書かせていただいた。りーちゃんはおそらく、現時点以降のすべての時点を「きょっ」だと思っていて、数か月先に予定していることであっても、「きょっ、でぃずにーしー(ディズニーシー)よ」と言って楽しみにしている。りーちゃん語の「きょっ」は、日本語の「これから」「今後」「今度」などとほぼ同義なのだと思う。

 

ところが最近になって、りーちゃんが「きのう」と言うようになった。「きのう、ダンスしたねぇ」という具合である。そしてやっぱり、「きのう」は現時点以前のすべての時点のことを指しているようだ。用法は相変わらずのりーちゃん語ではあるが、つい最近まで「今日」の概念しかなかったのが、「昨日」も覚えたのだから、かなりの進歩ではないかと思う。

 

ということで先月のことであっても、「きのう、おにくたべたねぇ」になるし、何カ月も前のことでさえ「きのう、ホテルいったねぇ」となる。難しいのは、現時点以前がすべて「きのう」なので、今日のことであっても過ぎ去ったことは「きのう」になってしまう点だ。

 

なので今日の朝ごはんのことを「きのう、もっち(餅)たべたねぇ」となるのである。今日のことを「きのう」と言われてしまうと、一緒にいたはずの親でさえも、「あれ? どうだったかな」と惑わされる。りーちゃん語はなかなか難しい。

 

扱える語彙が少ないりーちゃんは、言葉で表現できないときに、身振り手振りで伝えようとする。「きょ、こーれ」と言いながら足をぐるぐる回して自転車のマネをしたり、腕をぐるぐる回したりする(何を伝えたいのかはわからなかったが)のは、なんだか微笑ましくかわいらしい(←相変わらずの親バカでございます・・・)。

 

マミは何か予定がある時に、りーちゃんに卓上カレンダーを見せて、「今日はここよ。ディズニーはこの日に行くよ。いち、に、さん、し・・・あと5回寝たら、ディズニーよ」などと説明している。曜日の概念やカレンダーを理解することはりーちゃんにとってかなり高度なことだと思うが、繰り返し説明していればいつか理解するようになるかもしれない。

 

親の側があきらめてしまっては、りーちゃんの可能性が閉ざされてしまいますからねぇ。