りーちゃんは今月からスクールバスの集合場所まで歩くようになったが(雨の日を除く)、その後も順調に、ほとんど自転車に乗る日もなく歩いている。
歩くということは、自転車だった従来よりも早く家を出なければならないということ。そのためには朝食や身支度を手際よく済ませる必要がある。この日も起きだすのがかなり遅れ、久しぶりに自転車でないと無理かなと思っていたが、りーちゃんの好きな素麺を朝食にしたため早く食べてくれて、何とか遅れずに出発することができた。
マンションの玄関を出ると、別な玄関から出てきたお友達に遭遇。「りーちゃん、一緒に行く?」と聞かれて、「うん、いっしょにいこう」と優しく答える。かわいらしいやり取りからスタートした。
この朝は前日までの雨が嘘のような快晴。路面はかなり濡れていたが、空には雲一つなかった。ふと見ると、青空なのに月が見えるではないか。りーちゃんは日中の月を見たことがあまりないのではないかと思い、「りーちゃん、良いお天気だね、月も見えるよ」とダディ。りーちゃんも空を見上げて月を見て、不思議そうな顔をしていた。
しばらく歩いていると、お友達に比べて遅れがちになるりーちゃん。集中して歩けばそこまで遅くはないのだが、路側の排水溝のフタとか電柱とか、気になるものがたくさんある。何もなくてもピョンピョン跳ねたり、歌いながらゆっくり歩いたりするので、だんだんと後れを取るのであった。
そうこうしているうちに、背後にバスが!今日は予定の時刻よりかなり早めに来たようだ。りーちゃんたちが乗る集合場所は、このバスのルートの1番目の集合場所なので、早いときは予定より10分くらい前に来てくれる。バスに追い抜かれると、他のお友達は先に乗って、その保護者の方々も待たせてしまうことになるので、慌てるダディ。
「りーちゃん、ちょっとだけ、急げ急げしよっか」と言って歩くのを促すのだが、なかなかスピードアップはしてくれない。そして時々、空を見上げて「おつきさま、いるねぇ」などと言っては止まってしまう。うーん、ちょっと余計なことを言っちゃったかな。
それでもりーちゃんがバスに乗ったのは、指定された時刻より2~3分前ではあったが、やはり周りの保護者の皆さんに謝るダディ。りーちゃんはニコニコ手を振って、いつもどおりに学校へ向かったのだった。
なぜ空に月が見えるのか。夜だけではなく昼間でも見えることがあるのはなぜなのか。理屈を理解するのは、りーちゃんにはなかなか難しいだろう。でも日常のちょっとしたことでも、できるだけいろいろなことに気がついてほしいと思う。徒歩で移動するといろいろな発見があるので、これからも遅刻しない程度に、身近なことに興味を持って、たくさんの発見をしてほしい。