これまでに何度かご紹介しているが、りーちゃんは中学校から支援学校に通っている。現在は中学部1年生、つまりまだ半年ちょっとしか過ごしていない。
マミとダディにとっても、支援学校はこれまで馴染みのなかった世界だ。しかし前回のブログでご紹介した授業参観や、親子面談などで学校を訪れる機会も少なくなく、だんだんと学校でのりーちゃんの様子がわかるようになってきた。
前回、陶工班の作業の様子を見学させていただき、授業の終わりには一人一人が感想を言う様子を、もちろん我が子の発言も含めて見させていただいた。この時ちょっと驚いたのは、日直のような生徒さんが他の生徒さんのお名前を呼ぶ際に、タブレット端末を利用して端末の音声で呼んでいたことだ。
考えてみれば支援学校では発語が苦手な生徒さんもいる。りーちゃんも活舌は良いほうだと思うが、何か発言をする際は声がとても小さい。こうした端末を使えば、どの生徒さんでも日直の役割をこなすことができる。
実はこの日、授業の前の朝の会から見学することができて、りーちゃんのクラスに行くと、まさにりーちゃんが日直だった。タブレット端末を日直が操作し、端末に繋がれたモニターを他の生徒さんが見ている、という形で会は進行していた。
りーちゃんのそばには先生がついているわけではなく、りーちゃん自身で端末を操作しなければならなかった。もちろんすべてがスムースに行くわけではなく、時折、先生方から指示を受けたりしてはいたが、それでもまずまずの進行ぶりだった。
少し楽しげだったのは、ハンカチを持っているかどうかのチェックの時。りーちゃんとは別に係の生徒さんがいて、表が〇、裏が×の、テレビのクイズコーナーで見るような札を持っている。ただ、これは「ピンポン」とか「ブブ―」など音が出るようになっているようである。
このチェックの時間になると、生徒さん一人一人がハンカチを手に持つ。先生たちも同様に手に持つ。○×の札を持った係の生徒さんが、それぞれのハンカチの前で○を向けながら「ピンポン」と鳴らす。全員のところを回って、この日は全員が「ピンポン」だった。
朝の会の終わりには、日直であるりーちゃんの挨拶。しかし小さい声で何を言っているのかわからない。おそらく「これで、あさのかいを、おわります」などと言ったのだと思うが・・・。言い終わらないうちから、自分から笑ってしまうりーちゃん。「ウフフフフ」と笑顔を見せて皆さんの笑いを誘い、やっぱり最後は愛嬌で乗り切ってしまったのだった。
支援学校は歴史もあるせいか、校舎そのものはかなり年季が入っている。しかし中で行われていることは、通常の学校以上にIT化が進んでいるようだ。ITという便利なものは、人のハンディキャップを埋めるためにこそあるのかもしれない、と感じたのでした。