この4月からりーちゃんは支援学校中学部の1年生となり、早7ヶ月。通学はスクールバスで、集合場所が決められており、そこまでは親と一緒に向かう。

 

その集合場所は、地図アプリで見ると自宅から800mほど、徒歩11分と表示される。マンション内を歩く距離などもあるので1キロ弱といったところか。りーちゃんの足だと20分近くかかると予想していた。

 

りーちゃんにとってそれだけの距離を歩くことは、なかなか経験がなかった。小学校の時も歩いて行くことは多かったが、地図アプリで見ると500mくらいに表示されている。それでも6年生の頃は歩きたがらず、自転車で行くことが多くなってしまっていたのだ。

 

集合場所までは遠いし、歩きは無理だよね、と最初から諦めてしまっていたマミとダディ。集合場所までは自転車で行こうと、入学前から決めてしまっていた。20分近く歩く中で、もしりーちゃんが座り込みなどしてしまったら簡単には動かせないし、バスに乗り遅れたら車で学校まで送らなければならなくなってしまうからである。

 

ということで当たり前のように自転車通学になった我が家。集合場所にはりーちゃんを含めて5人ほどが集まるが、毎朝自転車なのはりーちゃんだけである。もう一人、同じマンションの1学年上の男の子が、たまに自転車で来るくらいだ。ちなみに雨が降ると、その男の子もりーちゃんも車になる。

 

5月か6月くらいだったか、やっぱり歩いた方が良いのかもと思い、りーちゃんに「明日、バスまで歩いてみる?」と聞いたことがあった。りーちゃんは、「あー、これこれ」と言ってペダルをこぐ真似をして見せた。その後も何回か聞いたのだが、「じてんしゃがい(自転車が良い)」とか、ペダルをこぐ真似とかで返答するのだった。

 

そんなこんなでつい先日まで、バス集合場所まで歩くのは夢のまた夢だった。潮目が変わったのは先日の山登りである。結構な距離を、それもアップダウンを歩いたので、これは朝の通学も歩けるのではないかと期待したのだ。山に行った次の日、りーちゃんに「歩いてみる?」と聞くと「うん!」と答えてくれた。

 

そして次の日。いつもよりも20分も早く家を出たりーちゃんとダディ。ちゃんと歩いてくれるかなと不安げなダディをよそに、りーちゃんは楽しそうに歩いて、何の問題もないまま集合場所までたどり着いてしまった。他のお友達はまだ誰も来ていない。初めての徒歩通学は、これ以上ないくらい順調で大成功だった。

 

思えば自転車に決めつけてしまったのは、親の怠慢でもあった。朝は時間がない、りーちゃんが歩かなかったら大変、などなど親の都合で、何も試すことなく自転車にしていたのだ。りーちゃんは、やらせてみれば意外に問題なくこなしてくれることも多々ある。多少のリスクはあってもそこは親が引き受けて、やっぱりチャレンジさせないといけないな、と反省したマミとダディなのでした。