水たまりに入るのが好きな子どもは多いと思う。雨の日に道を歩いていると、親子連れでお子さんが水たまりに入っているのをよく見かける。年齢的には、2~3歳くらいから未就学児が多いだろうか。

 

水たまりを見かけると入りたくなるのは、幼児の本能ではないだろうか。少なくとも、日本においてはそうだと思われる。小学生に上がると徐々に、こうした行為を見かけなくなる気がするが、それは親御さんが入らないように教えるからだろう。

 

りーちゃんも、歩けるようになってすぐに「みずマタり(by りーちゃん)」に入るようになったと記憶している。そしていまだに、水たまりに入る。今は中学1年生だから、かれこれ10年ほど、「みずマタりは入るもの」と思っているようだ。

 

保育園児の頃は親もあまり注意せず、好きに入らせていた。小学校に上がると「りーちゃんの傘」でもご紹介したように、小学校5年生くらいまで、りーちゃんは通常、歩いて登校していた。保育園の頃と違って、雨上がりの日などは長靴ではない運動靴で入る機会も増えたため、靴が汚れてしまう。

 

ということで、小学校2~3年生くらいの頃は、水たまりを見かけると「りーちゃん、入らないよ」とマミもダディも言ってしまっていた。するとりーちゃんはこれ見よがしに、バシャバシャと入ってさらに汚すのだった。言われれば言われるほど、そうする。そのため雨の日、雨上がりの日は、替えの靴下を持っていくようになった。

 

ここから学習したマミとダディは、今度は水たまりにりーちゃんを近づけないよう、歩く時にポジショニングを気にするようになった。これはある程度の効果があったが、無数にある水たまりの前には、やはり限界がある。ひとたびりーちゃんが水たまりを見かけると、ダディやマミを押しのけて入ろうとするのだ。「うーう!みずマタり!」と大声もあげて押し合いへし合いである。あるいは親に先んじて水たまりに突進したりする。そうして水たまりにたどり着くと、やっぱりバシャバシャと入るのだ。

 

そこからさらに学習したマミとダディは、水たまりがあっても何も言わず好きに入らせる、という原点に立ち返った。制限されずに水たまりに侵入する時は、意外と静かに、そーっと入ることをしばしば目撃していたからである。最終的にはこれが正解だった。以後、替えの靴下を持っていく必要はほぼなくなったのだ。

 

りーちゃんはいつまで「みずマタり」に入るのだろう。30歳になっても40歳になっても、入っていそうだよね、とマミとダディは話している。