りーちゃんのお兄ちゃんは普段は寮生活なのだが、夏休みということで久しぶりに長いこと家にいる。りーちゃんは相変わらず、お兄ちゃんに対して微妙な距離感で接している。

 

ただ、お兄ちゃんからするとりーちゃんはかわいい妹というか、ペットのような存在というか。以前ご紹介したサルのぬいぐるみ(りーちゃんの天敵)をりーちゃんに押し付けたりして、しばしばかわいがって(嫌がらせをして?)いる。嫌がるりーちゃんはたいてい「やめなさいよ!」「もーう、やめなさい!」となぜか命令口調である。

 

りーちゃんはマミやダディに対しては、依存の対象というか、自分の生活を成り立たせてくれる存在として、どことなくリスペクト(?)しているような風ではある。しかしお兄ちゃんについては、自分の世話をしてくれることはほとんどないため、どこか下に見ているというか、ライバル視しているようなところがある。

 

ただ、親からするとこの夏休み、お兄ちゃんの存在のおかげで助かった場面が多々あった。夏休みの間、りーちゃんのデイケアは終わる時間が1時間短くなる。普段は5時以降に帰宅するところ、4時くらいに帰ってきてしまうのだ。夫婦共働きなのでこの1時間の差は大きい。お兄ちゃんに事前に確認して、4~5時くらいに家にいることができるのであれば、りーちゃんのお迎え(と言っても玄関まで連れてきてくれる)をお願いすることが何度もあった。

 

そういうわけでりーちゃんの生活において、お兄ちゃんも決して小さくない貢献をしてくれているのだが、りーちゃんの心の中にお兄ちゃんへのリスペクトの気持ちはなかなか芽生えないようだ。

 

思えばお兄ちゃんが部活を引退する前、試合を実際に見に行ったりもしたのだが、その時りーちゃんに「お兄ちゃん、かっこ良かった?」と聞いたら「うん!」「かっこ良かったね」などと答えていた。さらにお兄ちゃんのお友達のお母さんからも、「お兄ちゃん、かっこ良かったねぇ」などと話しかけられて、りーちゃんもまんざらではない様子だったのだが、どうやらそれとこれとは別物らしい。

 

親としては、りーちゃんとお兄ちゃんが仲が良ければそれで良いし、実際に仲も良さそうなので大きな心配はしていないが、実はいろいろと貢献してくれているお兄ちゃんなので、もう少し報われても良いかなあとは思う。