親バカな発言かもしれないが、りーちゃんはとても優しい。

お菓子や果物を食べている時、マミやダディが「ひとつちょうだい」と言うと必ずくれる。泣いている子がいると放っておけないようで、「なんか、ないてるねぇ」「ダイジョブかしら」と心配している。泣いている子が近くにいると、「ダイジョブだよ」と話しかけながらその場を動かないこともある。

お菓子をくれるのは小さいころのお兄ちゃんもそうだったのだが、お兄ちゃんの場合は「優しい」ではなく「気前がいいねぇ」と言われていた。同じ行動をしていても表現が異なるのは、ちょっと面白い。

他のダウン症のお友達を見ていても、優しさは共通しているように思う。集まりがあったりすると、勝手気ままに遊ぶりーちゃんをにこやかに見守りながら付き合ってくれるお兄さん、お姉さんも多い。知り合いのお兄さんとフワフワのボールでキャッチボールをしていたことがあったが、もともと近かった距離がどんどん近くなって、最後はボールを手渡ししているようなキャッチボールになっても、そのお兄さんはニコニコと最後まで付き合ってくれていた。

さて、先日のブログで我が家では「○○がいたーい」という発言が流行って(?)いることをご紹介したが、最近ダディは、これを利用してりーちゃんの優しさにつけこむという、罰当たりな禁じ手をよく使っている。

りーちゃんの歯磨きはダディかマミが行うことが多いのだが、その際、りーちゃんを後ろから抱きかかえるようにして磨くことがほとんど。りーちゃんも体が大きくなったので、重い体を抱えながら磨くのはなかなか体力が要る。加えてりーちゃんがなかなか口を開けてくれないこともあるのだが、ダディがその際に「りーちゃん、ダディは腰が痛ーい。助けてくれる?」と言うと、りーちゃんはすんなり口を開けてくれる。ダディは内心ではほくそ笑んでいるのだが、大げさに「りーちゃん、偉いねぇ。いい子だねぇ。ありがとう」と褒めちぎるのだ。

朝、ベッドからなかなか起きてくれないときも、このやり口は通用する。りーちゃんの手を引っ張りながら、「あぁぁ、腰が痛―い」というと、比較的すんなり起き出てくれるのである。ここでもやはり「りーちゃん、ありがとう。なんて優しいんでしょう。なんて偉いんでしょう」とベタ褒めするのを忘れない。次回もよろしくね、というわけだ。

そんなこんなで、腰が痛いと訴えるとりーちゃんが心配してくれて協力的になるという禁じ手を、最近のダディは多用している。おかげでこのところ朝のお支度は大変スムースであり、ハラハラドキドキすることが減った。そのうち通用しなくなることがあるだろうなと思いつつ、楽なのでついつい、この禁じ手に頼ってしまっている今日この頃です。