りーちゃんは支援級に通っているが、3学期になると毎年、支援級の発表会がある。今回は6年生として臨む発表会。どんなことになるのか、マミもダディも不安でいっぱいだった。

最初は全員で楽器の演奏だったのだが、さあ始まるという時にりーちゃんはなぜかボールを抱えて父母が見ているエリアにトコトコと歩いてくる。指揮者か何かか、別の役割があるのかなと思っていたら、先生たちが少し慌てて「あっちだよ」と言っている。どうやらマミとダディがいるのを見つけて寄って来てしまったようだ。いきなり先行きを不安にしてくれる。

合奏が始まると、りーちゃんの担当はタイコ。持っていたボールは全く関係ないようだった。タイコと言っても木の箱(?)のようなものをたたく係。全体のリズムに合っているような合ってないような感じで、マイペースでたたくりーちゃん。たたき方もちょっと遠慮がちだ。それでも最後まで持ち場を離れることもなくやり切った。座った姿勢で、マミやダディに背中を向けていたのは残念だったけど。

その後は3グループに分かれ、マット運動、跳び箱運動、ダンスを披露してくれた。りーちゃんはもちろんダンス担当。ひらひらの布を持って4人で一緒に踊る姿は、なかなかかわいらしかった。みんな振付をちゃんと覚えているのも素晴らしい。

そしてマミとダディがもっともドキドキしたのは、6年生として感謝の言葉を述べるシーンである。毎年見ているので、そういう場面があるのは知っていた。果たしてりーちゃんは用意された原稿をどのくらい読むことができるのか…。ちなみに6年生は全部で3人いて、他の2人はそれぞれ立派に原稿を読んで最高の出来栄えだった。

りーちゃんはというと、二人の先生に促されながら小さい声ではあるものの、なんとなくだが原稿を読みはじめた。「しゅうがくりょこう、いったね」とか「にんじんトントンしたね」と思い出を語ったあと、「おねえさんは、ちゅうがくせいに、なります」といい、最後は先生に「お名前は?」と聞かれる形で下の名前だけ言うことができた。ちなみにこの最後の場面、マミはりーちゃんが「だいこやくしゃ!」と言うのではないかとハラハラしていた。

思えばつい最近まで、こうしたイベントでは先生や親の言うことを聞かずあらぬ方向へ走り出すこともあったりーちゃん。それを思い返せば、今回は役割をしっかりと果たして、とてもよくできたと思う。マミもダディも、りーちゃんのことをお家でたっぷり褒めました。