今までもたびたび触れているが、りーちゃんは機嫌を損ねると座り込み、無理やり動かそうとすると全力で抵抗し、暴れる。マミとダディは暴れているりーちゃんを、「ラプってる」と呼んでいる。

 

語源は、恐竜のラプトルである。りーちゃんはお兄ちゃんの影響でジュラシックパーク/ワールドシリーズが大好き。最近はやらなくなったが、かつては「フゥアッ!フゥアッ!」とラプトルの鳴き声をよく真似していた。ラプトルは比較的小さな恐竜(と言っても人間より大きい)のようなので、りーちゃんが暴れている時はまさにラプトルさながらだ。

 

そんな猛獣のような状態になっているりーちゃんをなだめる有効な方法が、一つだけある。りーちゃんのあごをさすりながら「うぅーん」と甘ったるい声を出すのだ。りーちゃんが「うぅーん」とやはり甘ったるい声で答えれば、ほぼ成功。そのあとは立ち上がってやるべきことをしてくれることが多い。そう、やはり、りーちゃんの触覚はあごなのだ。

 

このやり取りは何を起源にしているかと言うと、ゾウさんの映画「ダンボ」である。お母さんのジャンボが、ダンボの顔の周りに鼻を絡めて愛情表現をするシーンがあり、りーちゃんのお気に入りなのである。ちなみにダンボ以外の映像でも、ゾウさんが出てくると、りーちゃんは「うぅーん」と言ってあごをさすることを要求する。

 

なんだ、この方法があるなら、りーちゃんの扱いは楽じゃないか、と思われるかもしれない。しかしそうは簡単ではない。なぜかこの方法は、ダディがやらないと効果がないのだ。以前、修学旅行に関する話し合いでも、りーちゃんが動かなくなったらどうするか、という協議の中でこの「うぅーん」が使えるかどうかと話題になったが、どうやらお父さん限定ですね、ということで却下された。

 

りーちゃんの「うぅーん」は最近進化して、ダディが離れている時は自分であごをさすりながら「うぅーん」と言うようになった。もちろん、ダディが同じことをするまでりーちゃんは要求し続ける。マミはこれを「セルフ」と呼んでいる。

 

かれこれ2年くらいやっているので、最近は通用しないことも徐々に増えてきたが、それでも困ったときの「うぅーん」である。かなり激しく抵抗していても通用することが多いため、マミはダディのことを「猛獣使い」ならぬ「りーちゃん使い」と呼んでいる。