地元にはダウン症児の会があって、りーちゃんもそのメンバーである。遠足などのイベントもあり、会報も発行されている。ダウン症の子を授かり、ほとんどの親はまず最初に不安を抱くと思う。そんな中で先輩父母さんたちの体験談はやはり貴重だ。会のイベントに出向けば自然とそうした相談もできるし、会報から子育てについてのヒントをいただくこともある。本当にありがたいことだ。

そうしたわけで、会に所属しているのは赤ちゃんや乳幼児など、小さなお子さんが比較的多い。子どもが成長するにつれて、会を脱退する方もいる。我が家は、中学、高校、そしてその先のダウン症児の様子が知りたくて、今も会報を参考にしつつ、イベントにも参加している。

その会で毎年恒例になっているのが、12月のクリスマス会。同じ小学校のお友達は都合がつかず残念ながら不参加だったが、りーちゃんは参加した。いつまでも幼く見えるりーちゃんだが、会の子どもたちの中に入るとやはり大きい。

最初に写真を撮りましょうと案内していただいたのに、りーちゃんはぐずってその場から動きたがらなかった。りーちゃんの得意技、しゃがみこみ。しかし、しばらくするとどういうわけか撮影スポットへと移動し、しっかりポーズを決めてトナカイのカチューシャもつけて写真撮影を終えた。

イベント開始前には客席につき、開始後もぐずることなく、フォークダンスの団体のパフォーマンスをおとなしく見ていた。そして、皆さんも参加しましょう、という呼びかけには毎回応じて前に出て踊っていた。ハイハイハーイ、という感じではないが、すっくと立ち上がり、おもむろに前へ出る。やる気が伝わってくる。毎日踊っているミッキーのダンスはなかなかキレキレだった。

結構難しいダンスを教えてくださり、りーちゃんは理解できるかなと思いながら見ていたが、なんとか見様見真似でついて行っている。輪になって、一通り踊ったら隣にズレてパートナーを交代していく、というダンスも趣旨をわかっていたようだ。マミとダディは何度も「おー、できてるね」「あら、上手だね」などと驚きの会話を交わしていた。

今回来てくださったダンスの団体には、ダウン症のお姉さんも所属していて、難しいステップのダンスを披露してくださるなど、とても上手だった。普段、りーちゃんには無理かねぇ、などと夫婦で話すことも多いのだが、この日もまた少し成長を見せてくれたりーちゃん。親が限界を設定するのではなく、チャレンジさせればできることも多いのかもしれない。

こうして会のイベントを通じて、娘の成長を感じさせていただくことも少なくない。会の役員の皆様、ダンス団体の皆様、本当にありがとうございました。