りーちゃんは小学校での大半の時間を、支援級で過ごす。支援級では専門の先生が、りーちゃんの発育に合わせたお勉強を教えてくださる。大変ぜいたくでありがたいことだ。
ダディもマミも申し訳ないことにりーちゃんに対する教育熱が低いというか、それはお兄ちゃんに対してもそうだったのだが、自宅で勉強を教えることはほとんどない。しかしりーちゃんは、いつの間にかひらがなやカタカナを書けるようになった。支援級と、放課後のデイサービスでのご指導のおかげである。学校の宿題も家でやらせず放課後デイでお願いしている。いつも本当にありがとうございます。
そんなわけで家ではもっぱら、りーちゃんのランドセルに入っているプリントを見ては、りーちゃんのお勉強での成長を感じている。よくできているプリントもあり、そのたびにりーちゃんを褒めているのだが、他方で毎回のようにりーちゃんらしいユニークな回答もあって、それも楽しませてもらっている。
あるプリントではひらがなの練習をしていた。絵が書いてあり、ひらがなのマスが傍らにあって、何の絵か答えるものだ。全部で3問。いずれも最初の一文字の「お」だけはあらかじめ書いてあって、下に4マスの空欄が続く。
第1問、パパらしき人物が描かれている。回答は「(お)とうさん」で大正解。第2問、ママらしき人物が描かれていて、「(お)かあさん」とこれまた大正解。りーちゃん、順調じゃないか。第3問、男性のお年寄りが描かれていた。りーちゃんの解答は、
「(お)じいさま」
これにはちょっと理由がある。映画の影響だ。お兄ちゃんのためにそろえたジュラシックパーク/ワールドのシリーズのDVDはりーちゃんもなぜか大好きで、今もYouTube等でしょっちゅう見ている。その中に出てくる女の子が、ジュラシックパークを創設したというおじいさんを、「おじいさま、おじいさま」と呼ぶシーンがある。これがりーちゃんのお気に入りのシーンなのだ。その言い方をよく真似していた。
普段の生活の中で覚えていることが、お勉強にも出てくるものなのだなと、改めて感じた。「学び」とは本来、生活に密着しているものなのだろう。「おじいさま」、もちろん大正解だね。