世界で見ると最後の皇帝(Emperor)は日本の天皇となってます。
でもなんだか諸外国の人の感じる皇帝と日本人の感じる天皇とは随分ひらきがあるみたい...
それもそのはず、ヨーロッパ諸国、中国などの皇帝は絶対的権力を持つ存在として語られます。
元もとの皇帝という地位はアジアでは中国の郡国制からきているといわれています。中華思想の中国では郡という単位を修めるのが長官で国という単位を修めるのが王でした。その郡と国々を束ねなければならなくなったのでその上に神から任命を受けたという皇帝が据えられたのです。
ヨーロッパではローマ帝国という国の精神を受け継いだゲルマン民族がその偉大なる帝国と結びついたキリスト教という神から国々を束ねる王の中の王として皇帝を配するようになったというものです。神聖ローマ帝国はまさに教皇からの任命によって王の中の王、皇帝が決まります。
逆に言うと皇帝は誰でも名乗れるものではないのです。イギリスの例を見るとイギリスは皇帝の称号をインドを征服してやっと手に入れることが出来ました。インドの神々に任命を受けたムガル帝国を支配して初めて大英帝国を名乗れたのです。大英帝国というのはインドあっての大英帝国だったわけです。インドを手放した英国は王国に戻りました。
ロシアはそもそもがロシア正教という宗教がありそこの神様から地上の支配を任命されたので帝国を名乗ることが出来たわけです。ロシアはその為、諸外国を呼ぶ際、当時帝国が一番上位、次に王国があるとの考えに至っていました。ロシアが帝国と当時読んでいたのは日本、中国を含めた七つだけでした。そのほかの国は格下の国々だったわけです。
さてそう考えると「神が地上の支配の権利を与えれば誰でも皇帝になれてしまうじゃないか!?」と思われると思います。ならば自分で神を作って自分を任命させればそれで皇帝になれると考えるのは自然です。その通りでもあります。しかしその神をどれだけの人間が指示するかはその神の偉大さにつながります。偉大な神で無いと指示しない。だからその偉大な神に指示された人が偉大な皇帝になるのは当然のことなのです。
さてその中ででは大韓帝国とは何かとときますと...実は日本は当時の独立国を全て帝国と訳していたんです。日清戦争に勝利した日本は当時中国に支配されていた朝鮮を独立させる必要がありました。それには郡国制の壁があったのです。王国ではいつまでも中国の配下の国という印象を持たせてしまう。そこで中国の隣で独立し大日本帝国という名称にした日本同様に朝鮮を帝国にしないと中国は対等の国として認識しないという考えがあったのです。ですから大韓帝国については本意の意味とは随分かけ離れた帝国だったわけですね。しかしその当時ですらロシアは大韓帝国を王国と位置づけています。
話は少しずれてしまいましたがでは天皇...
彼らは神から任命を受けたのでしょうか?
違います。なぜなら彼は神の血筋をもつ神を祭る日本最大の大神主なわけです。
だとすると日本の皇帝とは誰???
寧ろ皇帝は神の臣下である征夷大将軍。
そう近年で言えば徳川幕府のことになるでしょう。
諸侯を束ねる王の中の王と言える存在です。
では天皇は?
どちらかといえばヨーロッパで言う教皇に近い存在ではないかと思います。確かに一時期天皇はやはり皇帝でした。しかし彼は過去の慣例にのっとり承認したりする言わば判子を押すだけの承認者だったわけです。それを考えると権力という言葉とは大変遠くにある存在といえなくも無いでしょう。
ということで私は外国人に天皇とは何ぞや?と聞かれたときにエンペラーとは答えずに教皇(the Pope)と同じものだと答えるようにしています。
2016年9月23日の朝日新聞の記事
http://www.asahi.com/articles/ASJ9N5RT9J9NPTFC01H.html?iref=com_favorite_03
ほらねオランダ商館は徳川家康のことを皇帝として書簡を残しているでしょ?