先般、ゴルフの全英女子オープンで日本の桑木志帆選手が優勝した。昨年の山下美夢有選手に続く快挙で、イングランドの難しいリンクスコースを攻略しての栄冠であった。
私の好きなもの ─ウイスキーのソーダ割り
ところで、優勝後の現地あるいは帰国後の記者会見で、こんなやりとりが交わされた。
─今、一番何がしたいですか?
─私、お酒が好きなのでお酒をたくさん飲みたいです。
─お酒はどういうお酒ですか?
─ウイスキーのソーダ割りです。
けっして(かどうかわからないが)ハイボールとは言わない。ウイスキーのソーダ割りはハイボールに違いないと思うのだが…。そこでそもそも「ハイボール」の語源は正確なところはどうだったか改めて調べてみた。
ハイボールとは
ウイキペディアによると、ハイボールとはカクテルの名称で、ウイスキーをソーダ水(炭酸水)で割ったもの(ウイスキーソーダ)が元祖だが、広義ではスピリッツ、リキュールをソーダやトニックウォーターなどの炭酸飲料や、フレッシュジュースなどのアルコールの含まれていない飲料で割ったもの全般を指すとされている。
わが国では焼酎やウォッカなどをベースとしたカクテルを焼酎ハイボール(チューハイ)と呼び親しまれている。
日本におけるハイボールの歴史
日本では昭和初期にはハイボールを飲ませるバーがあった。1946年洋酒の壽屋(現サントリー)からトリスウィスキーが発売された。時に第二次世界大戦後という我が国の状況である。程なくサントリーはトリスバーを展開、トリスのソーダ割りであるトリスのハイボールが普及した。これはトリハイとも呼ばれ、安価なことから庶民・若者に大流行した。
その結果、我が国の居酒屋ではハイボールと言えばウィスキーのソーダ割りとして広まることとなった。
さて、私の記憶ではハイボールという飲み物は昭和30年代という時代背景がオーバーラップする。
東京タワーの竣工、東京オリンピックの開催、東海道新幹線の開通、カラーテレビの普及などなど・・・。ALWAYS三丁目の夕日という映画の時代背景も同じようだ。
その頃私は小学生で、父親の酒飲み話しなどで「ハイボール」の名を耳にしていたんだと思う。ハイボール─大衆が安く、うまく、酔えるお酒。猥雑ながら楽しい大衆居酒屋の世界。その中心にハイボールがある。
角ハイのCM
時代は移り、あまり正確なところではないが、ウィスキーの消費量が低迷する時期があった。
そこで、サントリーが一つの手段として手を打ったのがあのCMである。初代のマドンナは女優の小雪さん。歌は石川さゆりさんか・・「♪ウィスキーはお好きでしょ~♫」ってやつですね。これはなかなか情感を醸し出すいいCMだったと思います。これがウィスキーの売り上げに貢献したようです。今、巷の若い人たちの頭の中にインプットされお酒として一般化しているハイボール(=角ハイ)というのはあのCMの刷り込み作用なんだと思います。
語源は諸説あり
さて、本題です。その語源については諸説あるようだが、代表的なものを二つ紹介する。
◆アメリカ合衆国で誕生
~ボール信号機に由来
かつてアメリカ大陸横断鉄道が開通した当時、1890年頃までに鉄道の建設ラッシュが起きた。この時に工事の進捗具合をボール信号機というもので知らせ、ボールが高く引き上げられている時は「工事の進捗が遅れているので急げ」の合図であり、この信号を「ハイボール」と呼んだ。作業労働者の休憩時間は短く、ハイボールの信号が出たらすぐに工事に戻れるようウイスキーを水で割って飲みやすくしていたのがハイボールと呼ばれるようになり、いつしか水ではなく炭酸水で割るようになった。
列車の運行状況を運転士にボール信号機で知らせており、ハイボールは「遅れているので速度を上げよ」の合図であった。そこから、急いで簡単に作れる飲み物をハイボールと呼ぶようになったとされる。
ボール信号機(ウィキペディアより)
◆イギリスで誕生
~ゴルフ場での出来事に由来
あるゴルフクラブで、炭酸水をチェイサーにウィスキーを飲みながらスタート待ちをしていた紳士がいた。予定時刻よりも早く自分の名前がコールされたため、慌てた紳士は、炭酸水をウィスキーの入ったグラスに注ぎ、急いで口に流し込んだ。そこへ、誰かが打ち損じた高く舞い上がったボールがテラスに飛び込んできて、紳士が「ハイボール」と叫んだことから、この名が広まったとされる。
このアメリカとイギリスの語源説はアメリカのボール信号機由来説の方にやや分があるようなな気がするが、バーボンウイスキーとスコッチウイスキーと、どちらのウィスキーを取るかと問われればイギリスのスコッチを頂きたい。