個人的に、様々な思い出のある女性に対する、想いを込めての記事です。
自分の中で整理をつけるためにも、敢えて書かせて頂きましたが、
気分的に合わないという方もいらっしゃることと思います。
その場合はどうぞスルーして下さる様、お願い致します。
肌寒くも青空の広がる中、
シューベルトの歌曲「さすらい人」が響きだします。
先回の記事でお伝えした彼女の
お気に入り、最期まで病院でも聴いていらしたという曲。
http://www.youtube.com/watch?v=BR8_n-B8qu0
(フィッシャー・ディスカウ と ジェラルド・ムーア の演奏です)
理想の愛する地を「何処に」と求めながら、さまよう心
得体の知れない者が囁く、幸福のある世界。
彼女はこの歌をどの様な思いで聴いていたのでしょう。
手の施し様がないと言われ、痛み止め、モルヒネの量が上がる最期の3日間
それにもかかわらず必死に生き続けようとする彼女。
まだこの世に、彼女を引き止めるものがあり過ぎるのでは・・・という病院側のお言葉に、
3日目の夜、彼女をそっと独りにする事に決められたご家族。
立ち去る前に蝋燭に火を灯され、お嬢様がもう一度手を握りながら状況を説明されると、
かすかながら頷かれ、二つの短い息をつかれ、永遠の旅に出られたという彼女。
彼女が生前に秘書として関わられた数々の財団。
その中でも20年に渡り携わられた、ガーナへの支援活動は
元国連事務総長のコフィー・アナン氏の目に留まり、激励のお言葉を頂いた、という経験談も・・・
幼い頃から、人の注目を浴びる役目は避けられ、
周囲のために手助けできることはないかと、常に探されていたという彼女。
ご自分は人を助ける事が使命、という事から、電話による心理カウンセリングを本職として務められながら、
慈善事業、更には私共のマネージャーとしてまでも、空き時間をフルに使われていたのです。
この快晴の日、彼女のために集まられた方々。
何時の時にも変わらず、自然体で問題突破を目指す彼女のお人柄が、この日の話題の中心でした。
生前、お会いすると気取らない笑顔で、”Hello” と言いながら近寄っていらっしゃる彼女の姿。
簡単に 「元気よ」 とかわしても、直ぐに真実を見破られてしまう事も多くあり、
彼女の前では、つくろうという事は出来ないままに終わってしまうのでした。
彼女のお嬢様との相談で、この当日、モーツアルトのソナタとエルガーの愛の囁き、この2曲を演奏した私共。
モーツアルトはKV.304のソナタ、彼自身の母親の死に際して作曲された曲。
この場面と切り離しての、平常心での演奏は無理に近いのですが、
余計な感情移入をすれば、彼女に見破られてしまう様で、
なるべく心は無の状態、自分の音だけを頼りにしながら、という特殊な状態でした・・・
彼女のお人柄に相応しく、最後はゴスペルが(黒人霊歌)歌われる中、
参列者の方々の、棺に向っての最後のお別れ。
本当に多数の方々に見送られたため、
予定よりも、大幅に追加されたゴスペルの合唱曲の数々。
哀しいながらも、それぞれの心の中では、
彼女のエネルギーが生き続けることを確信しながら・・・
自分の使命を、最期まで見失われず、突き進まれた方
肩書きがどうのという問題ではなく・・・
、
見送る側にも、希望の光をそのまま残されながら、
自らはサポート側に回られた方・・・
彼女の指標に従い、生きて行く勇気も湧いてくる・・・
その様な事を、その場の空気全体が分かち合えた、一時でした。
個人的な記事を最後までお読み下さり、ありがとうございました。

