ドイツ、フランクフルトのホテルで、洋服ダンスの内側に掛けてあったこのポスター。
”人生、怒って過ごすのは勿体無い” という様な意味でしょうか。
これを見掛けたのは先回の一時帰国、ブリュッセルから成田に向かう途中の事。
ブリュッセルから日本までの飛行機の直行便が今は存在しないため、
毎回他のヨーロッパ都市で、一度乗り継ぐ必要があります。
今回はドイツのフランクフルト経由での帰国でした。
フランクフルトでの乗り継ぎ時間は2時間半程あり、丁度良いと思っていたのですが、
ブリュッセルの空港に着いた所、フランクフルト便は30分の遅延との表示でした。
今回は日本での予定の一つに娘の撮影がありましたが、トランクには
カメラの為の三脚も入っておりましたし、彼女は荷物の遅延を大変に心配しておりました。
「30分遅れと出ているのなら、これより遅くなる可能性は少ないわよね」
と、娘は自分に言い聞かせるように呟いておりましたが、
その後のアナウンスには二人とも緊張のあまり、笑ってしまったほどです。
「フランクフルト行きは1時間半の遅延の為、
乗り継ぎ便のある方はカウンターまでお越し下さい」
カウンターでの説明では、多分6時間遅れの別の便に乗れる筈だが、
更にフランクフルトで発券手続きをする様にとの事。
不安な気持ちで乗り込んだフランクフルト行きの中では
機体のトラブルから機種変更の必要があり、この遅れが出たとの説明があり、
最初に乗る予定であった成田行きの出発時刻30分程前に、ドイツに着陸したのでした。
空港ロビーでは係員の支持がそれぞれ違い、右往左往しながらも、
まだ成田行きは離陸していないと、何処もかしこも猛ダッシュにて通過しました。
ところがこの成田行きに間に合うかという希望も叶わず、落胆した挙句、
長蛇の列のサービスセンターに発券手続きに向かった私達を待っていたのは・・・
「お乗りになられる予定でした成田行きの、丸一日遅れの便で飛んで頂きますので」
驚いた私達、
「はあぁ? 今夜の6時間遅れの便はどうなったのですか?」
「あ~、そちらは不可能ですので、明日の便が一番快適かと思います。
その代わり、今夜のホテル、夕食、明日の朝食代は全てこちら負担という事に
させ頂きますので」
またまた私達、
「でも私達は明日には成田に着きたいのですが・・・
それに明日、出迎えてくれる友人達にも連絡を取らないと、どうしようもないのです!」
すると、そこに有った電話をクルリと私共の方に向けられて
「どうぞ、これで今すぐお掛けになられてはいかがですか?
いずれにしても、成田到着は明後日となりますので」
今回は本当に、友人家族が成田まで車で迎えにいらしてくれる事になっていたのです。
この翌日には北海道の大学にと飛び立たれるお嬢様とも、
唯一この日に成田で再会出来るという事で、娘も私も楽しみにしていた訳です。
ただ、どうやらどの様に騒いでも、押し問答の繰り返しになると察した私共は
頭の混乱する中、日本はすでに夜10時過ぎと少々躊躇いながらも、
友人にその場で電話をし、一応用件は伝える事ができました。
横からは、娘がトランクの事を気にしておりましたが、
「荷物は大丈夫です。必ず貴方と一緒の便で運ばれますから」
という事。
この後、空港から20分というホテルまでシャトルバスに揺られ、
夕方6時頃にようやく部屋に到着したのです。
この時間では観光をするどころでもありません。
(もちろん、その気力もありませんでしたが)
このような経緯で、前記のホテルのポスターを目にし、
内容も、この時の私共のために調合されているようだと笑ってしまったのでしたが。
ホテルは思いの外、食事も良く、こんな物も机の上に置かれており・・・
(新約聖書と仏陀の教え)
ヨーロッパのホテルでは、枕元に聖書がさりげなく置いてある場合もありますが、
仏教に関して見掛けたのは今回が初めてです。
疲れきっていましたが、これはどの様な趣旨があるのかしらと、少々興味が湧いた訳です。
この様な状況で宿泊していなければ、結構ゆったりと過ごせた
良いホテルだったのかもしれませんが・・・
とに角、この様に一時帰国が始まりました。



