私は徹底的に前進する。
私の表面だけを見る人は、私をいつもエネルギッシュに輝いているという。
順風満帆に見えるか、もしくは困難も喜んで乗りこなすように見えるか。
現実はそんなはずはない。
エネルギーの多くは抑圧から生まれる。
だからある意味、感謝しかないのだけれど。
八方塞がりの時も、暗闇もある。
誰かに相談したいときも、聞いて欲しい時もある。
でも、その相手は自分自身だと知っている。
先日、農道で前を走る車の異変に気づいた。
左後ろのタイヤから煙が上がっていた。
後ろからクラクションを鳴らし続け、窓を開け手を振り叫んだが聞こえない。
細い道だから、抜かすことも出来ない。
煙はますます上がる。
右手にコンビニが見え、さすがの運転手もわかっていたのかウィンカーを出したので、
こちらも追いかけた。
その瞬間。
バン!! っとバーストした。
が、幸い車はゆっくり走ってコンビニの駐車場に停まった。
急いでおりて、運転手に声をかけると、
かなり高齢の男性だった。
無事を確認して、タイヤの状態を伝えた。
そのおじいさんは、スマホを持っていないくらいの年齢で、コンビニで電話がしたくて、なんとかここまで来たと言った。
とりあえず、電話をかけられることがわかったので、離れると、呼び止められた。
まだ、何かあるのかと思って近づくと
ロイヤルミルクティーの缶を差し出して、
「親切にしてもらった。本当にありがとうさん」と、90度の腰をさらに曲げた。
いや、何もしてないのに。と、遠慮すると、
おじいさんは、ありがとうを繰り返して、無理やり缶ジュースを持たせてくれた。
私は、心が疲れたときは、スーパーの駐車場にいることが多い。別にスーパーには入らないけど。
25年前から。
人の気配が恋しいのか。
車の中に、その缶ジュースをしばらく置いてあったが、
今日、飲んだ。スーパーの駐車場で。
甘くて、美味しかった。
また、頑張ろうと思う。
私は私である。
私はあなたでもある。