祖父母の眠るお寺に併設してる住宅があって、そこは初めから住職が住んでるワケじゃなくて、誰かが住んでたワケでもない。
数年前からそこに女性が住むことになって、普段は子どもたちに書道教室。
法事の時はその女性がお供えのお花や果物を並べて祭壇の準備をしてくれたり、住職や客人のお茶をだしてくれていた
ばあさんの四十九日の日だったな、その人と初めて話した
小柄で痩せてて笑顔がすごく可愛くて、あたしはてっきり自分よりも少し歳が上くらいなのかと思ったら
『私、もう還暦なの(笑)』と言われて娘とえらく驚いた
『抗がん剤で身体もボロボロなのよ(笑)』と、ずっと続けてるっていう治療の話しもしてくれた
ムリしている部分もあるんだろうけど、話しを聞けば聞くほどに壮絶な治療をしてると思えないくらい素敵な人だと思った
母さんのガンがわかった後で何かの用事でお寺に行った時に、母さんはその人に自分のことを話したらしい
ばあさんの一周忌の時もその人から近況とかの話しをしたけど見た目には何の変化もなかった
ばあさんの三回忌の頃は母さんが病状が悪化していたのでお寺ではやらなかった
2月の母さんの四十九日の日に久しぶりにその人に会えた
お寺のあれこれをやってる伯父から、その人も体調があまり良くないらしいと話しを聞いていたけど、その日もお供え物を手伝ってくれようと本殿に来てくれたので
『あたしやるから指示出してください♬』って言ったら
『いいのぉ〜??じゃ動いてもらうよぉ〜(笑)』と教えてくれた
法要が終わってから何の話題があるわけでもないけど、その人とどうしても話さなきゃって思っていたら、その人の方があたしを待っててくれた。
お礼を言うとその人から
『こないだね、医者に、桜の花は見れないかもって言われたのぉ^^;』って笑顔で言われた
『桜は絶対見れる!桜は絶対大丈夫だから!そんな急じゃないもん!!』
『あたし早く仕事見つけて、次は手土産持ってくる!何食べたい??好きなのは??』
とか、機関銃みたいに言った
その人が笑って
『そうだなぁ〜、和菓子が良いなぁ〜』
『あ!でも来たらやってもらうことあるよ!(笑)』って言った
『(*´・д・)ん?』
『だってココだよ〜?書道に決まってるじゃーん(笑)』
『とにかく時間作ってくるから!』
2人で『またねー』って
3月になって仕事探しして、4月から働くことになって、ようやくペースが掴めてきて4月27日の仕事帰りにお寺に寄ろうと思ってた。
帰りに予定外の仕事絡みのゴタゴタで、お寺の前は通ったけど立ち寄る時間がなかった
昨日父さんから29日にその人は亡くなったんだと言われた
家族葬でこじんまり執り行なうらしい。
今まで知らなかったけど、その人のフルネーム聞いて自分が知ってる人だったのを思い出した
世代は違うのに縁て不思議だねって話したのを思い出した
ちゃんとお礼を言えてなかったこと、なんでもっと早く行かなかったのかを後悔した
