父が亡くなって今日で半年。
大好きだった豚まんと味噌ダレをお供えし、お昼前にお経をあげてもらった。

とにかく父のことが嫌いだった。
理論もへったくれもなく、自分の機嫌の良し悪しでモノを言うのでずいぶん振り回された。
っていうか私が「はいはい」って流せればよかったんだろうけど。
酒で身体を潰しても、やめられなかった。
私の学資保険を飲み潰した時には、さすがにキレて木製バットを振り上げ、母と妹に止められたこともあった。

阪神・淡路大震災で、瓦礫と化した家の下で生きていた母親(私の祖母)を助ける前に瓦礫に火が燃え移り、助けようとしてくれた人たちに「もういいです」と告げたのは父だった。生まれ育った家も、母親も、炎に飲み込まれるのを見ているしかなかった胸の内はわからない。

東日本大震災の映像を見た父の頭髪はごそっと抜けた。
眉もまつ毛も抜けた。
それでも、仕事を辞めることなく昨年12月初旬まで勤めていた。

見た目を気にする人だったので、その姿は私のそれまでの父への思いを変えるきっかけとなった。
遅かったけど…

自分にへんなところで甘く、「いやいや、どうでもええやん」っていうところで厳しかった父。
寂しがりやであかんたれでメンタル面が弱かったところはどうやら私に引き継がれたようだ。

お父さん、久しぶりの春陽軒の豚まん、美味しかった?
また買うて来るわな。