コンサルを使う | ビジネスコンサルタントのたわごと

コンサルを使う

Digupさんからコメントをいただきました。

『もし経営においてコンサルタントを利用するのであれば、向かうべきポイント(こういう事をやってみては等)よりも今直すべきポイントをたくさんアドバイス聞きたいと思います。
欠点や問題点を第3者から聞くのは非常に有益なことだと思いますので。』


貴重な意見ありがとうございます。


将来よりも現状についてのアドバイス。


一般的に企業では

①経営層が企業戦略を練り、その会社が進むべき方向を決める。

②その方向性を目指すにあたって問題となる事項、制約、課題を見つける。

③そして、その課題を直すため改善、または、直しつつ戦略を実現させる施策のプロジェクトをすすめる。


と、いうのが企業が次にすすむ一般的な流れでしょう。


間違っていたらごめんなさい。Digupさんが、おっしゃるのは、この②へのコンサル利用が有効ではないかということと理解しました。


コンサルも②からしか、なかなか仕事取れないことわかっており、ノックドアの手段としてクイック診断みたいなプログラムを用意しております。

・業務プロセスの診断

・給与水準の診断

・ITの診断

・遂行中プロジェクトの診断

などなど、大手で800万~2000万ほどでそれなりのことしてくれます。


ですが、コンサル使うところとして、どれぐらいバリューがあるのか、やっている本人からみると、なかなか答え出しにくかったりします。


お客様から、

『どれくらい普通からずれているのか教えて欲しい』

といわれても、

『あなたにとって、何が普通(基準)ですか?』

と聞き、

『同業他社、または同じような会社』

と帰ってきます。


一応、いろんな団体が業界ごとにあって、数字出していますが、水増しは基本です。

当然重要な数字はだしません。

もし我々が同業他社の仕事をしていても、比較する事が可能な数字を公開していい訳ありません。


比較ではなく、素直に問題を見つけたほうが得策です。Digupさんのおっしゃるとおり。


しかし、問題調査にしても、調査だけで終わる場合は、なかなか難しいです。


我々、その会社にいる社員でないので、当然課題はヒアリングしないとわかりません。

企業の体質やサイズによりますが、短期間の調査はなかなか事実が浮かび上がってきません。

理由は、Digupさんのように独立心・向上心が強く、変化なんて恐れない方とは全く反対の方が多いからです。


トップダウンでの調査命令でも、課題があがれば自分にネガティブな影響あると考え、いろんなことを隠してしまう社員が、大手企業のサラリーマンとして安定かつ変化のない生活を望まれる方のなかには、たくさんおられます。我々は、社員さんに隠されると、何も情報が入ってきません。

もともと公認会計士で監査をやっていた上司も言っていましたが、ぐるになって隠されるとわからないと。


解決策として、

A.何か後のアクションを前提とした調査とする。調査の後、改善プロセスに入ってようやく出てくるような課題も多々あります。

B.調査プロジェクトメンバーなり事務局なりにクライアントメンバーに入っていただくのが重要です。この人の人望を使って調査をすすめる。

プロジェクトの成功は90%体制が決まった時点できまる。

と僕は経験上感じています。


私が経験上、コンサルを使うバリューが最もあるのは③の改善、改革プロジェクト遂行だと思っています。

前にも書きましたが、日本の人口2倍のアメリカでコンサル需要が日本の10倍あるのは、コンサルを完全なアウトソーサーと考えているからだと思います。


日ごろの営業・販売・開発などの付加価値作業やルーティン作業とは別の、社員にとっても一度だけとか何年に一回しかない、その会社にとって手のかかる割りには実現化されるまで付加価値が生まれない作業をやらせてしまうのがベストだと思っています。


いかがでしょう?


こういう風に書くと①の戦略策定部分に携わる、戦略系のコンサルは?ということになりますが、この辺は戦略をやっていた時の経験をもとに、また書きます。