もう10年ほど前になるが、

ドクターヘリの操縦者だった人から話を聴く機会があった。

 

その方は北海道生まれの人で、

同級生が事故で亡くなったことをきっかけに

ドクターヘリの操縦者を目指した。

 

当時、北海道にはドクターヘリがなく、

広大な地域で緊急事態が起きた場合、

救う手立てがなかった。

 

亡くなった友人も、

もしドクターヘリがあったら助かっていたと、

その悔しさから、

アメリカまで行ってヘリコプターの操縦を学んだそうだ。

 

興味深いのは、

その操縦訓練だった。

 

ある程度の操縦法をマスターできたら、

あとは一年間、ほぼ毎日が落下の訓練だったという。

 

上空で教師がエンジンを切る。

その状態で無事に着陸する訓練が続くのだ。

 

経営も同じだと思った。

資金が十分にあり、優秀な社員と仕事があれば、

経営はうまくいって当たり前だ。

 

どんな事態になっても冷静に、

最善の判断と決定で会社の舵取りをすることこそ、

経営者にとって必要なのだ。