こんにちは。
桑原通夫です。
お金について・・
お金は道具として使われていますが
その役割は何か?というと
価値の尺度と価値の保存と
価値の交換・・という3つです。
価値の尺度としては・・
分かり易く日米の為替で
考えてみると・・
10年ものの国債で比べた場合
アメリカ国債は4.6%の金利です。
対して日本の国債は0.9%の金利
だとすると
アメリカ債を持っていたほうが
良いことになります。
当然、円売りドル買い・・が起こります。
金利の低い方から、金利の高い方へ
お金は流れて行きますから・・
日本の円安を止める場合は、
金利を引き上げるしかない・・
ということです。
では、日本の金利を上げるとどうなるか?
当然、お金は銀行に集まってきますが
貸出先が見つかりにくくなります。
企業はお金を借りにくくなり、設備投資や
研究開発も控えるようになりますし、
売り上げが減って企業の業績が下がり‥
株価も下がります。
消費も抑えられ・・経済は縮小していきます。
そこで考えられるのが、円買い・ドル売りという
為替介入です。
しかしこの為替介入には限界がありますし
その効果も一時的なもの・・と言われています。
日銀が為替介入できる予算は
3兆~20兆円までだそうです。
というのは日銀が保有している
ドルは全体で約200兆分です。
日本が外国のものを買う場合・・
ドルで支払いますので
外貨は常に準備しておかなければなりませんが
日本が持っているドルは・・200兆円分だけです。
このドルを全て為替介入に使えば、日本は
海外からモノを買う事が出来なくなります・・
という事で、為替介入に使えるドルは
普通で3兆円ぐらいです。
最大でも、20兆円までが限界です。
では、外国為替市場では1日で
どれぐらいのドルが取引されているか・・
というと、
1日で168兆円のドルが売り買いされています。
そこに僅か3兆円分だけ介入しても
ほぼ効果はありません‥焼け石に水です。
ですから、本当に円安に対して効果を狙うには‥
金利の引き上げしかないのです・・
金利を引き上げれば、・・
例えばアメリカよりも高い4.7%の
金利に引き上げれば、
円が買われ・・ドルが売られて
円高ドル安にすることができます。
しかし実際、日本の公定歩合を4.7%に
することはできません。
日本は金利が0.9%でもなかなか借り手が
いない・・のが現状です。
銀行が貸出金をふやせば・・経済は成長しますし、
逆に預金が増えれば・・経済は縮小します。
ですから、金利を高くすると預金する人だけが増えて
借り手がいなくなるので・・経済は回りません。
アメリカの金利が高い今の状況は、
アメリカ市場にはお金が沢山回り過ぎているからです。
それを抑えるためには貸出金利を上げる必要があり、
銀行からのお金を市場に回し過ぎないように
しなければならないからです。
4.6%という高金利ですが
それでもアメリカは借り手がいる‥
という事は、アメリカには勢いがある・・
という事です。
だから、日本がアメリカと同じような
手法はとれないのです。
通貨の価値は国の価値と一致します。
これが通貨は価値の尺度になる‥という事です。
そしてGDPは・・企業価値と一致します。
米国のGDPは28.8兆ドルですが
日本は4.1兆ドル・・
という事で7倍の差になっているのです。
国の価値が低下していれば
その国の通貨価値も下がるのが当たり前ですので
円安になっているのも当たり前なのです。
GDPとは国全体の粗利の事です・・
その国が1年間の企業活動で
どれぐらい儲けたのか・・を測るものです。
政府にできるのは分配機能だけで
本格的にGDPを上げることは出来ません、
GDPは企業の付加価値の総計ですから
企業に頑張ってもらうしかないのです。
今の日本が円安になっているのは当たり前・・
という事で為替介入でどうなるものでもありません。
当面は円安ドル高は変わらない・・
であれば、我々が取れる対策としては
円安で儲かってる企業に投資をする事しか
ありません。
最後までご覧いただきありがとうございます。