以前、こちらの記事で占星術の「月」と心理学の「シャドウ」を掘り下げ、活用するという内容をお話しました。

 

 

「月」とは、人が普段意識していない、いや、"意識できていない"領域、「無意識」の中に溜めこまれる経験や人格の置き場で、
「シャドウ」は、自分にとって嫌悪や憎悪の理由となる他人、またはそれに関わるものごと、内容を言います。
別の言い方をするなら、「シャドウ」は"無意識領域に押し込んで抑圧(自己否定)している自分のイヤな側面"でもあります。
誰にでも優しい人のはずなのに「甘えは許さん!」というようなことがあったなら、それはきっとシャドウの部分で「本当は甘えたいのにずるい!」と思っている、ということになります。
しかし、そうは言ってもその人にとってもシャドウは、「知らない(見えない)部分」です。望んだのに与えられず、心のゴミ箱に投げ捨てて忘れるようにした部分の塊です。
その人が「生きようとした」結果が、そのシャドウです。でも、本人はそれを自覚できないのが普通です。

このあたりのことを考えていた時、ふと『それってもしかして、アダルトチルドレン(AC)と関係してくるんじゃ……』というところに至り、検索欄にカタカタと。
そう!やっぱり!それって「インナーチャイルド」なんですよ!「月」が傷ついて「シャドウ」を伴うことと、「インナーチャイルド(とAC)」はあまりにも類似し過ぎてるんです。
というのも、インナーチャイルドが傷ついていることやACになること、シャドウが内包しているものって「親からの仕打ちによって植え付けられた呪い」である部分も大きいんです。
もちろん、その他の人から受けたものによってできたトラウマなども含みます。それだって、普段は意識できない部分の傷(蓋をしておきたい部分)ですよね?

これはおそらく、獅子座キロンを持っている人は、特にキツいものになるでしょう。獅子座キロンは自分らしさや自己表現の関連で傷を抱えやすくなります。
「相手と親密になること(相手を信じること)」や「誰もが持っている重く暗い感情」「激しい感情」で傷を作りがちな蠍座キロンも、そういう傾向になると自分は考えます。
自己否定(無意識的・無自覚的な抑圧)をすればするほど、シャドウは膨れ上がり、強く厄介なモンスターになっていくんです。
そして、シャドウの影響に気付くのが遅ければ遅いほど、対処が難しくもなっていきます!

「月」はその人の基盤、原理、理念、基礎や根底といった"根幹"です。若く、柔らかく、純粋で、また無防備な部分でもあります。
幼い頃に積み上げられる経験によって人格が形成され、それで生まれた「そもそもの部分」がセッティングされているカ所です。
そこが傷ついたらどうなるでしょう?満たされないインナーチャイルドを抱えたアダルトチルドレンになるんですよ。

じゃあ「土星的観点」と「天王星的観点」からキロンを見るって何?という話になると思います。
上述の例で言いますと、他人の甘えを許せない人はそういったかたちで"土星が試練を与えてくる"ことになります。
あいつも、こいつも、みんな甘ったれの意気地なし!という嫌悪を抱き、そのような拗れ方をします。こうなると他の人と喧嘩を起こしたりして、悲惨な結果を迎えることになります。
ここで、シャドウを"活用"するんですよ!心理学ではそれを「統合(のための作業)」とも言います。これが"天王星的な現状打破と変容・改革"です。

まとめますと、キロンはその人の"傷"を表す小惑星(天体)ですが、同時に"癒し"であると言われるのは、"インナーチャイルドの傷とそのケアによる自由の取得"だと考えられるわけです。
それがすべて「月(無意識領域)」で起こる。

無意識でやってしまう振る舞いなんて、誰かから教えてもらうこともないなら、自力で気づいてどうにかするなんて無茶な話なんですよ!
しかもそれが周囲からの呪いやトラウマも関係していると気づいて結び付けることなんて!
なのに何もわからないままやってしまって非難されて孤独になっていってしまう。助けてくれる人(指摘してくれる人)がいないとどうしようもないです!
すごく……しんどい……。だってそれって、放置され続けると普通に生きづらさにもなりますし、所謂「虐待の連鎖」を発生させるものですよ……。
この記事を書いているだけでも目を覆いたくなるような事実です。
自分は虐待なんてしない!と言っている親御さんほど"事実を操作している"なんてザラですしね!
 
傷は呪いとなり次の傷に繋がる。そもそも傷になってしまう事態が起こらなければよいのですが、この世の中それも難しいんだと思います。
どう考えても自分だけでは手が間に合いません。でもどうか、こういうものもあるのだと、知ってほしいです。