もはやブランド「タニタ食堂」 人気の秘訣は
タニタの「丸の内タニタ食堂」
健康機器大手のタニタ(東京・板橋)は、同社の社員食堂で提供している健康食メニューを一般向けに出すレストラン「丸の内タニタ食堂」を1月11日に開業した。2010年に発刊した同社社員食堂のレシピ本「体脂肪計タニタの社員食堂」がベストセラーになり、社員でなくてもその料理を実際に食べられる店がほしいとの声に対応した。運営面ではカジュアルダイニングのきちりと提携し、そのノウハウを取り入れた。
メニューは、日替わりと週替わりの定食2品だけ。1定食当たり約500kcal(ごはんは100gで計算)で、塩分を3g前後に抑えている。日替わり定食の価格は税込み800円、週替わり定食は同900円。年商目標は7200万円。
配膳、下げ膳もタニタの社員食堂と同じセルフサービス。テーブル席には、ご飯の量を計る計測器と食べる時間を測定できるデジタルタイマーが置いてある。食事は20分はかけてゆっくり食べることを推奨している。
内装やテーブル席は温かみのある色調で、この店のために制作したヒーリング音楽をBGMに使う一方、入り口では食欲を刺激するエッセンシャルオイルの香りで客を迎えている。店内には、業務用の体組成計を備えたカウンセリングルームを設置し、管理栄養士が常駐して無料で食生活について助言する。
テーブル席の壁面には同社の製品を展示し、店内向けのデジタルサイネージ(電子看板)ではヒーリング音楽のCDなどのCMを流している。食事の提供だけでなく、こうした施設やサービスを通じ、食による健康管理方法を伝える場を目指したという。今後、多店舗展開する方針。
【日経産業地域研究所研究員の視点】
絶対評価に基づき採点した(社員食堂の健康志向レシピに基づく一般向けのレストランは新しい試みであるため)
1月11日の開業以来、「丸の内タニタ食堂」には連日、来店客が非常に多く、タニタは混乱を避けるため、当面、午前8時半から店頭で利用時間指定の整理券を配布している(開店は午前11時)。この人気は、2010年1月に発刊したレシピ本「体脂肪計タニタの社員食堂」(大和書房刊)が、続編も合わせてこれまでに470万部売れ、タニタの社員食堂のヘルスメニューに対する関心が非常に高いことを映している。タニタ食堂はいまや憧れのブランドになっているともいえよう。
実際に利用すると、このレシピ本を貫く、食を通じての健康管理の徹底した姿勢が実感できる。料理の工夫はもちろん、ご飯の茶わんの内側に、盛ったご飯が100gと150gのときの目安となる線が入っていることや、テーブル席にご飯の重さを量る計量器や食事時間を計るデジタルタイマーが置いてあることを見て、「なるほど」と思う人は多いだろう。
ただ、同業他社委員(外食関係者)の指摘にあるように、このままの形で多店舗展開するのは疑問かもしれない。1号店という気負いや広告塔的な狙いからか、タニタ製品のショールーム的な趣がやや強すぎるようにも感じる。
もっとも、メニューや接客面などは、必ずしも既存の外食店の基準でみる必要はないともいえる。タニタ食堂のブランド価値をテコに、定食レストランの成功事例である大戸屋やいろいろな試みのある既存のダイエットレストランとは競合しない、新しい外食業態を確立できる可能性もあるだろう。そのためには、顧客ニーズを見極めながら経営的に持続可能な業態に鍛えていく地道な努力が必要になる。
タニタの「丸の内タニタ食堂」
健康機器大手のタニタ(東京・板橋)は、同社の社員食堂で提供している健康食メニューを一般向けに出すレストラン「丸の内タニタ食堂」を1月11日に開業した。2010年に発刊した同社社員食堂のレシピ本「体脂肪計タニタの社員食堂」がベストセラーになり、社員でなくてもその料理を実際に食べられる店がほしいとの声に対応した。運営面ではカジュアルダイニングのきちりと提携し、そのノウハウを取り入れた。
メニューは、日替わりと週替わりの定食2品だけ。1定食当たり約500kcal(ごはんは100gで計算)で、塩分を3g前後に抑えている。日替わり定食の価格は税込み800円、週替わり定食は同900円。年商目標は7200万円。
配膳、下げ膳もタニタの社員食堂と同じセルフサービス。テーブル席には、ご飯の量を計る計測器と食べる時間を測定できるデジタルタイマーが置いてある。食事は20分はかけてゆっくり食べることを推奨している。
内装やテーブル席は温かみのある色調で、この店のために制作したヒーリング音楽をBGMに使う一方、入り口では食欲を刺激するエッセンシャルオイルの香りで客を迎えている。店内には、業務用の体組成計を備えたカウンセリングルームを設置し、管理栄養士が常駐して無料で食生活について助言する。
テーブル席の壁面には同社の製品を展示し、店内向けのデジタルサイネージ(電子看板)ではヒーリング音楽のCDなどのCMを流している。食事の提供だけでなく、こうした施設やサービスを通じ、食による健康管理方法を伝える場を目指したという。今後、多店舗展開する方針。
【日経産業地域研究所研究員の視点】
絶対評価に基づき採点した(社員食堂の健康志向レシピに基づく一般向けのレストランは新しい試みであるため)
1月11日の開業以来、「丸の内タニタ食堂」には連日、来店客が非常に多く、タニタは混乱を避けるため、当面、午前8時半から店頭で利用時間指定の整理券を配布している(開店は午前11時)。この人気は、2010年1月に発刊したレシピ本「体脂肪計タニタの社員食堂」(大和書房刊)が、続編も合わせてこれまでに470万部売れ、タニタの社員食堂のヘルスメニューに対する関心が非常に高いことを映している。タニタ食堂はいまや憧れのブランドになっているともいえよう。
実際に利用すると、このレシピ本を貫く、食を通じての健康管理の徹底した姿勢が実感できる。料理の工夫はもちろん、ご飯の茶わんの内側に、盛ったご飯が100gと150gのときの目安となる線が入っていることや、テーブル席にご飯の重さを量る計量器や食事時間を計るデジタルタイマーが置いてあることを見て、「なるほど」と思う人は多いだろう。
ただ、同業他社委員(外食関係者)の指摘にあるように、このままの形で多店舗展開するのは疑問かもしれない。1号店という気負いや広告塔的な狙いからか、タニタ製品のショールーム的な趣がやや強すぎるようにも感じる。
もっとも、メニューや接客面などは、必ずしも既存の外食店の基準でみる必要はないともいえる。タニタ食堂のブランド価値をテコに、定食レストランの成功事例である大戸屋やいろいろな試みのある既存のダイエットレストランとは競合しない、新しい外食業態を確立できる可能性もあるだろう。そのためには、顧客ニーズを見極めながら経営的に持続可能な業態に鍛えていく地道な努力が必要になる。



