6月1日にMJが発表した2010年度飲食業調査では、
急成長しながらも型にはまらない企業が
店舗売上高伸び率などで上位に浮上しました。

同じブランドなのに店の雰囲気がバラバラだったり、
数百店規模に育ってもセントラルキッチンを使わなかったり。
消費者ニーズと真摯に向き合う姿勢から生み出されるのは、
定説破りの逆張り経営だそうです。

店舗売上高伸び率1位のエムブランドフードサービスは、
居抜き徹底、大量出店、脱・統一感。
ほぼ2日おきに新店舗が出現し、2010年度末の店舗数は
約230店と1年で3.5倍に急増しました。
「メニューや雰囲気をそろえて安心感を誘うのが従来の
ブランドだが、今の消費者は何よりも価格を重視している」
と井戸実社長は語ります。

居抜きを徹底し、出店費用は1,000万円と同規模の平均的な
飲食店の4分の1以下に抑え、
浮いた経費は商品価格に還元します。
具体的には、無料でサラダバーやライスの食べ放題をつけ
付加価値を上げます。
投資は最長でも2年で回収する方針。
このスピードを原動力に大量出店へのアクセルを踏み、
改装期間も短いことがさらなる出店ペースを加速させるようです。

今後の目標は、2016年度に5業態で売上高1,000億円を達成すること。
その過程でM&Aも視野に入れているようです。

店舗売上高伸び率10位のアークランドサービスは、
ボリューム・安さ、男性にアピール、脱・客層拡大。
今回の調査で売上高経常利益率5位、
店舗売上高伸び率10位に躍進し、バランスのとれた成長をみせたのが、
カツ丼チェーンの「かつや」を経営するアークランドサービスです。

「かつや」の看板商品は、80グラムの豚肉がのった514円のカツ丼。
メニューや店づくりに際しては男性客第一を貫いているようです。
他社がヘルシー志向や女性客取り込みに動いても手を広げず、
仮に客層を拡大するときは「別の入り口をつくる」そうです。

ボリューム感と安さを実現する秘訣が
愚直なコストカットだそうです。
カツの揚げ行程を担うオートフライヤーは
作業者が機械に豚肉を入れるだけ。
直営店では、パートに店長を任せる制度の導入を進め、
3年間で店舗数が53から78に増えましたが、
「かつや」事業部の社員数はわずか5人増の45人。

以前はチラシに切り取り式で付けていた割引券も
名刺サイズにして来店客全員に配った結果、
券の回収率は以前の1割から3割に上がり、
再来店者が増えているようです。