昨日のMJに「利他的」がカッコいいという記事が載っています。
石鍋仁美さんのマーケティングの「非・常識」という記事です。

以下引用

東京都内の各所で開かれる農産物の直売市で、
福島県や茨城県などの野菜や果物が
「ヒット商品」になっているようです。

「引き取りを拒否し、農家を追い込んだのは中間業者。
消費者は積極的に買いたいと思っていた。」と
銀座農園の飯村一樹社長。
流通業界は消費者心理の大きな変化を見落としていた。

倫理学者マズローは「欲求の5段階説」を唱えた。
①食欲などの生理的欲求
②身の安全の欲求
③社会的所属に所属する欲求
④他人に認められたい欲求
⑤自己実現欲求
だが、マズローはその先に第6段階があると語ったとされる。
近年有力なのは、「コミュニティーの発展」説であり、
最後はエシカル(倫理的)で利他的な要求に至ると
マズローは考えた。

近年、日本でも途上国の製品を適正価格で買う
フェアトレードなど、第6段階の消費はじわじわ
支持を広げてきた。
それが今回の地震で表舞台に躍り出た。
「同じ国の中に第1、第2段階の欲求に直面する人々が
生まれたことが大きい」と支援されるべき人々の存在が、
他の人々の意識を最高次に押し上げたという。
「いま支援を受けている人々も将来は第6段階、
つまり助ける側に回る」。
日本全体が利他的な社会になる流れを震災が加速した、とみる。

コミュニティのための消費とは何か。
被災地の農産物や寄付付き商品などの応援買いや応援観光、
節電のための省エネ照明器具や扇風機の購入、
単純な損得や節約だけではなく、
自分が住む社会や国を維持する消費だ。

「空気読本」の副編集長の小林氏は、若者に
「それってソーシャル(社会的)っぽいね、
という褒め言葉が生まれている。
社会的な発想や言動はカッコよくスマートだという
意識が広がっている」と語る。

若い世代に関心の高いシェア型消費も当てはまる。
震災後、空間や必需品を他人と共有する
シェアハウスに住む学生が増えたという。
いざとなると役所や市場は機能しない。
頼りになるのはコミュニティやソーシャルキャピタル
(人間関係という資本)を自覚的に構築しておこう
とする流れである。

フィリップ・コトラーは、昨年出版した
「マーケティング3.0」の中で、
製品中心の古い発想とも、消費者の満足を第1とする
従来の常道とも違う道を提唱している。

世界をよりよい場所にするという社会的使命を
ビジネスの目的とする。
提供するのは精神的価値。
企業を社員、消費者、コミュニティなどと
協働すべき一員と位置づける。
そうして収益と社会的責任の両立に至る、という。
マズローの「第6段階」とも通じる発想だ。

震災は、欲望のあり方を大きく変えた。
利他、協働、共生という新しい価値軸の急浮上を
見逃すべきでない。

引用終了

利他とは、国語辞典によれば、
自分を犠牲にして他人に利益を与えること。
他人の幸福を願うこと。
だそうです。

新しい消費の意図。
当分忘れてはいけません。