けんじは、目のに止まった前のライターを手にとった
「へぇ~天使かぁ」
「隆弘、お前タバコ辞めるって言ってたのに変なもんもらっちったな。しかも、こんな綺麗なやつどーすんだ?」
「・・・・」
いくら話しかけても、帰ってくる言葉はない...しかし、けんじはもうその事には慣れていた
けんじは、何気なく手に取ったライターのフタを開けたてみた
(カシャーン!)
乾いた綺麗な音が、静かな部屋に響き渡た。いつもの癖で、開けては閉じ開けては閉じ何度も何度も繰り返していた。
ちょうど六回目を開いた時だった
隆弘「た..ょ..お.で.う」
「隆弘?」けんじは、すぐに看護婦を呼んだ。
何かを呟きながら、隆弘は意識を取り戻した。
それから、けんじは今までの出来事を話した。
隆弘は驚き、そして泣きながら喜んだ。夏帆も、ずっと意識が戻らないと聞かされても「それでもいいんだ、生きてくれてさえいれば、それだけで...」と言って
隆弘は退院してかもら、今日こそは目が覚めると願いながら、毎日病院に行っていた。
それから数日たったある日、いつものように303号室に入りベッドの横に座った。
「夏帆もう春だよ、この辺も桜が咲き始めるんだってさっ!さっき看護婦さん逹も今年は花見何処でやろっか?とか話してたよ。」
「あっそうだ!前に話したあの桜見に行こうか!大きくて立派な桜なんだ。夜はライトアップされて、凄く綺麗だし、きっと感動しちゃうよ」
ふと、昔夏帆が言ってた事思い出した
『あなたとわたしを救ってくれるから』
隆弘はポケットからライターを取り出した。そして、火を着けた。
(ボッ!)
その炎は、天使を思わせるような柔らかくて優しい炎だった。
隆弘が炎を眺めている時、窓から春の暖かい風が吹いた。
その風は、隆弘をすり抜け炎を揺らめかせた
その時、ずっと閉じたままの目蓋がゆっくりと開いた。まるで毎日必ずやってくる朝がきて目覚めるように自然な感じで
隆弘はナースコールを押した...
END
(健)