アルミトラが言った。-----お話しください、あなたの収入を。
アルムスターファ氏が答えて言った。
私の収入源は数多い。私は裕福な実業家一族の三代目長男に生まれた。生まれながらにしてすでに他人の人生の何百億倍もの収入が約束されているのだ。
私は今68社の会社のオーナーだ。社長は親戚や弟が就任しているが、全社の株主であり、役員である。当然ながら給与が出て株主配当があり役員手当があるのだ。
その上、法人税対策で車を買うなど当たり前のことだ。家族用にベンツのセダンを5~6台、通勤用や母親用にアルファードをいくつか、遊び用にベンツのスポーツクーペ、ポルシェ911、ランボルギーニやマセラティーなどなんだって買える。
実際、私の車コレクションはそれ専用の駐車場とたまに動かして調子を整えるためのサーキットを用意している。このサーキットも通常はカーマニアたちに開放し入場料を徴収している。
もちろん、会社の節税対策用弁護士、監査会計士、税理士などは自社お抱えだ。節税し放題だしそれを指摘する者もいない、ということだ。また、業績としては赤字でも株主配当を出すことが可能でありそれが財務諸表に表れない、というのもタイの税務法が富裕なものに有利に作られていると言えるのだろう。