君の、形のいい耳たぶを噛むと
軟骨がごりっと鳴った
食べても食べても太れないと
少し困ったように笑う君は
確かにどこもかしこも痩せていて
骨ばっている
それを一つ、ひとつ
あたしは噛んで
舐めていく
存在を肯定するように
否定するように
華奢な肩は
それでも女性のそれとは違って
男の匂いがする
いつの間にかどこかで
君は男になる
あたしさえ知らぬどこかで
今日も、明日も
少しずつ
大きくなって
少しずつ
離れていく
だから、あたしは
こうやって
噛んでいるのだ
あたしを肯定するように
君に痛みを与えるために
君に痛みを与えるために
