メーカーズマークの海で

まあるい氷が優しく踊る

綺麗な音のするグラスは
手の混んだ切り細工。




感傷に浸る気はなくって

だけど

どうしてこういう時のジャズは涙を誘うんだろう



目ではわからないほど少しずつ

氷は小さくなっていく

そう、確かに溶け始めているのに

大抵それに気づかない

もう、今では遅すぎるのね



あと1杯飲んだらもう眠ろう

一人では広すぎるサイズのベッド


今夜だけはあたしを優しく迎えてね

あなたは

ドーナツで言えばチュロスのような人で


エレベーターの無い4階建てのアパートの

4階に住んでいる


そこにテレビはなくって

あるのは使い込んだギターと情報源の新聞


そういうところがとても好き。





あなたは

フルーツで言えば枇杷のような人で


指でラインダンスをするのが趣味だと言った


言葉を注意深く選んで話すために

とてもおっとりとしたしゃべり方をする


そういうところがとても素敵。





きっとあたしたちは

常に社会のマイノリティー


だけど、いいじゃない





そんなあなたがとても好きで

あなたを好きなあたしも



あたしはとっても好きなのよ

俺はいい男になったよ、と

5年も会っていない彼に言われた時

あたしは嬉しかった

それはきっと誇張でも、ましてや見栄や意地でもないことが

あたしにはわかるから

外見とか服装とかそういうことでもなくて

君は本当にいい男、になったんでしょう

あたしもそうだと胸を張って言えるだろうか

小さなプライドや不安や意気地の無さがあたしをがんじがらめにする

世界中の男性に
馬鹿にされてもいいけど

君には きれいになったって言ってほしいよ


凛とした強さを持って
明日、君に会おう

きれいになったでしょ?と

自信を持って君に聞こう

(5年前に別れて全く消息不明だった彼氏と会いました。)