漫才「本を出します」








「どうも~!カーエレメンツです!」


「秋ですね。」


「ああ、確かに秋だけど、地域によっちゃ、初冬だよ。」


「秋ってことにしておいて。」


「分かった。それでどうかした?」


「秋だから、わたくし本を出します。」


「なぬ?唐突な話!何で秋だから本を出すの?」


「そりゃあーた、秋はグルメですから。」


「グルメ本を出すの?お前料理得意だった?」


「料理じゃなく食べる方です。だからってそんな当たり前の展開になりません。」


「当たり前で悪かったな!」


「まずグルメ本を読みます。持ち歩くうちソースや油のシミが付いて、汚いし邪魔くさいからってミキサーの入ってる戸棚に突っ込まれます。」


「まず研究の為読むのか。それはそうと本、出すんじゃなくてしまうの?」


「それで、グルメ本のせいで太ったので、ダイエット本を読みます。」


「なんか違う展開になってきた!」


「ダイエット本もその割りに効果がなくて、そのうち汗や枕にした時の匂いがしみたりして、臭いからってランニングマシンの入ってる押し入れに放り込まれます。」


「ことごとく飽きて投げ出すパターンなんだな!」


「ダイエット本のせいでストレスがたまったので、動物の写真集を読みます。」


「そのパターンだと、可愛そうな結末が・・。頼むやめてくれ!」


「動物の写真集を読んだら、すっかり愛読し過ぎて手垢まみれになります。飼っているペットが本に嫉妬して食いちぎったり、粗相をします。」


「現実にペットがいるのにそれは可愛そう!目の前の僕を見て!私を見て!」


「ペットがストレス解消にしたせいで、もうボロボロになったので、彼等のオモチャになります。」


「まだ、どこかにしまわれた方が良かった・・。」


「色々あって部屋が散らかったので、お片付けの本を読みます。」


「お片付けの本も同じ運命なのか?」


「そんな当たり前の展開になりません。」


「当たり前で悪かったな!てか、読んでばかりでお前、いつ本書いてるの?」


「書いてる?本は書きませんよ。」


「だって、秋だから本を出しますって。」


「お片付けの本を読んだら、どんなに傷んだ本でも引き取るサービスを紹介していました。そこに、本をまとめて出します。」


「何?引き取りサービスに出すの?出版の話は?」





「最初に言ったじゃないですか。飽きたから、本を出しますって。」





画像は古本買い取り屋さんのサイトから