漫才『しまった、ワナだ!』







「おいどうした?小刻みに震えているぞ!何か悩んでいる風だな!」

「ハイレベル大喜利のサイトがあって、今回のお題が『しまった、罠だ!』だったんだ。」

「へー、ハイレベルなんだ。それで?」

「アメーバなんて比じゃないよ !ちょっとやそっとじゃ入賞しやしない。今回もダメだった・・。」

「ああ、アメーバ大喜利は、プロが審査してないから。馴れ合いだから。」

「そこまで言ってないけど・・。いや、むしろ言ってくれてどうも。」

「じゃあ、罠にかからないように、君をテストする。」

「エーッ!罠にかからないテストって・・?」

「可愛い美少女、もしくは二次元がつながれている、巨大な罠があったとする。」

「もう始まったの?何その設定!」

「君は、潤んだ瞳の少女を助けるか否か?」

「絶対その娘も仕掛けに加担しているよね?無理無理!」

「チッ!・・次に、母親がほかほかの好物を並べて待っている罠があったとする。」

「うー、たまらんな!母ちゃんのハンバーグ食べたい!」

「君は、好物に箸をつけるか否か?」

「母ちゃんご免なさい!僕はハンバーグを卒業します!」

「母ちゃん泣くぞ!では君名義の、一千万円の残高の通帳が・・さあどうする?」

「エーッ!怖い!そのお金おっかねー!身の丈に合わない大金で、幸せになるわけない!」

「きれい事並べたな!じゃ、君のSNSが燃えているぞ!消火器は罠の中だ!」

「知らん、燃やし尽くしておくさ!きっとその消火器は着火剤だ!」

「どうして乗ってこない?いったい何なら食いつくんだ?」

「乗るわけないだろう!大体、現実にそんな罠があるか?」

「そうだ!君の本を出版しないか?」

「その手に乗るか!詐欺の匂いがプンプンだ!」

「えー、俺ならホイホイ乗っちまうのに。憧れの印税生活~!」

「お前はコロッと騙されやすいもんな。じゃあ、もし大喜利で入賞しました!と連絡があったら?」

「え、マジ?やっぱり俺、お笑いのセンスあるからな・・。憧れの作家生活~!」

「イチコロだな!ホントに気楽で羨ましいよ。今度センスのあるところを示してくれよな。」

「君の方こそ、ハイレベルな大喜利で入賞してみろよ!」

「ああ、どうせ俺、お笑いのセンス無いよ、悔しい・・。くくく・・。」

「おい、小刻みに震えてるぞ!」




「しまった、ワナワナだ!」