新聞配達の智朗シリーズの、ショート・ショートです。コントではありません。













「智朗の朝②」





智朗は、今日はアイツの所をどうやり過ごそうか、考えていた。3ヶ月後に少しは改善されているかも知れないし、変わらないかも知れない。いずれにしても3ヶ月間避けることは出来ないのだ。


アイツは多分、かなり初期に付けられたであろう名前が、今の実体とかけ離れている。おそらく、誰もがその名で呼び慣れてしまって、今さら変えようがないのだろう。


角を曲がり、ひとつ深呼吸をしても、やはり身構えてしまう。そこには、ご丁寧に立て看板がある。


(犬・吠えます。チビ太くん♥)






智朗は、耳鳴りがしそうな吠え声の中、ソイツの横にあるポストに、放り込むようにして、新聞を入れた。