○夢への道は、回り道の方が「土産話」が増える。──高みを目指す全ての君へ。





「君へ。」


君の皿には苦い料理が。

だが食べてみないと判らなかった。

君の傘には穴が空いてた。

だが開いてみるまで判らなかった。

君の通り道には獣が唸る。

だが歩き始めるまで判らなかった。



君は骨折り損のくたびれ儲けをしたのか?

君は不要な荷物をしょいこんだのか?

君は・・ただ疲労こんばいしただけなのか?

君を守ろうとした大人達が、済まない済まないと泣くのを、冷めきった眼で見るつもりか?



いいや、君は「面白かった!」とケラケラと笑うだろう。

その笑い声に、みんなが一緒に、泣き笑いする。

床に転がって、腹を抱えて。



あ、いつの間にか太陽がのぼった。

君達を照らす、やけにデカイ太陽が。