コント「食えねーヨ!」



昼休みのオフィス。女子社員の声。

「ねー、あの店のクーポン使おう!」
「さんせーい!」
「数量限定だから急ごうよ!」

足音と笑い声が遠のく。シーンとする。以下、男の独り言。


「あー、ウルサイの居なくなった!」

周りを見回す。

「これで開けられるッと」

机に、弁当を出す。

「なーにが悲しゅうて、愛妻弁当隠して食わなきゃならんのじゃ!」


ふと手を止め、パソコン画面にある、ニューストピックスを見る男。

「○○市で、仕出し弁当が原因と思われる食中毒発生、またか」


弁当の蓋を開ける。色とりどりできれいに詰められた旨そうな弁当。しかし、チーズと海苔でこさえたメッセージが陣取っている。

「ど、く、み、い、た、せ....毒見致せ?何様のつもりだ!こんな事書かれちゃー食えねーヨ!」

弁当に対して指差しながら思い切りツッコむ男。


「しかし食わなきゃ更なる仕打ちが待っているからな....」

弁当を食べ始める男。


「チクショー旨い!」

パクつく男、箸が止まらない。


「悔しいけど旨い!本当に変な毒入ってるかもな?だって癖になるんだもん!明日も楽しみ!」

       

           the end