漫才「さくらまつり」



「どうも~!カーエレメンツです!」
「桜、咲いてるねー?」
「私の実家の辺りも桜まつりやってます」
「帰らないの?」
「帰りたいのはやまやまですが、バイトがありまして」
「そうか、残念だね?」
「いえ、バイトでさくらは堪能できます」
「え?何のバイト?」
「この町の桜まつりでちょっと」
「そりゃ忙しいね!」
「一人でも多い方がいいんです!キミもやりませんか?」
「そうだな、やろうかな?どんなバイト?」
「イベントを盛り上げる重要なミッションです」
「焼きそばとかビールの販売だろう?」
「いえ、司会者がミス桜を紹介したら、全力で応援します。全力で萌えます」
「なんだそれ?変なの!」
「他にも、桜Tシャツを着て、桜まんじゅうや桜クッキーを旨い旨いと言いながら食べて、桜の写真コンテストにいちいち写真に感動しながら投票したりします」
「それってもしかして?」
「キミの心配は想像できます。でも割のいいバイトです」
「割、いいんだ?」
「とても重要なミッションですから。他にも売れ行きの悪い店に並んだり、地元のゆるキャラに興奮して抱きついたりします」
「不自然な演技になりそうだな」
「大丈夫!事前にプロの指導があります」
「プロ、いるんだ!」
「各地のまつりで実績を積んだプロです!」
「何てこった!そんな裏があったとは」
「さぁ、さっそくレクチャーに行きましょう!友達連れて行くとお手当てが増えるんです!」
「なんか、純粋にイベントを楽しめないが・・・」
「さくらまつりを楽しめばいいじゃないですか!」

        
           the end