エセエッセイ「魔王、語る」

何度か書いている例のドラマについてなんだが。

 魔王さんの子供達へのあの語りには、制作側の強い意志を感じた。このドラマは使命感を持って社会に発信しているのだ、と。否定的・批判的な意見に対して、キャストのセリフを通して訴えたのだ。(ずるくて)上手い作り方だ。

「お前達は傷つけられたんじゃない。磨かれたんだ」

 この言葉(記憶違いの為相違があれば失礼)は、いかなる環境にある子供にも希望を与える。自己否定の闇から抜け出せる。大人もしかり。傷つけられたと認識したとたんに、自分の価値を貶められた気になるものだ。「磨かれたんだ」と思えたら、魔王が言う様に、胸に抱えたクッションが尖ったものを受け止めてくれる。上手い脚本と演出だ。

 悪意ある言葉、忠告の類い、好奇の視線、偏見や先入観による決め付け、過去の暗い記憶、裏切り、目を背けたくなる光景、そして自分に向き合う勇気。尖ったものは容赦なく飛び交い、傷の上塗りをしてしまう。ああ、全ての人が胸にクッションを抱えられたら、いいのにな!

 それにしても、子供達いい枕使い過ぎだな?って思っちゃった。ゴメン!ドラマも後何話かで終わります。私も突っ込み精神とクッションの両方抱えながら、見守りたい。

          づうさん