エセエッセイ「モンスター」

 例のドラマについてだが、スポンサーのクレジットをカットしたらしい。さらにいくつかのCMもカットされている模様だ。特に謝罪やコメントが無いとなると、意図せずとも傷つけてしまった方々の悲しみや苦悩は、制作側への信頼喪失をもってしても、消し去る事は出来ないだろう。キャスト、スタッフも芸達者揃いで、エンターテイメントとしてだけなら素晴らしいドラマなので、「もったいない」の一言である。
 これが、おもいっきりパロディで固めたコメディだったら、果たしてどうだっただろう?誰がどう見ても明らかに架空そのものだったなら?「けしからん!おちょくっている!」と言われるのが関の山か。でも、シリアスなら「現実と違う!」となるところを「くだらねぇ、やっぱドラマだもんね~」と笑って許してくださる御仁に恵まれそうな気がするのは、私だけだろうか?
 有名人がSNS で発した一言や写真、一般人が何気なく(多少得意げに)つぶやいたコメントや載せた写真が、「そんなつもりじゃなかった」方へ風に乗り、発信者の手の届かない所で、モンスターに化けてしまう。だが一部の発信者は、確信犯的にモンスターを産みだそうとしているが。
 私達は、「そんなつもりじゃなかった」という失敗例を飽きもせず繰り返してしまう。私達自身すでにモンスターなのかも知れない。時々、鏡に写してみる事にしよう。または、誰かに指摘してもらえた時には「いかんいかん!危うく人間やめるとこだった」「いざとなったら、便利道具にもう頼らない!」と思えるのが理想だ。
              
              づうさん