皆さん
思いがけず思いのほか心配して頂いてたみたいで有難うございます。
畑澤はいたって元気!ですが、しばらくは息を潜め、次の機会を伺っているところです。
今回から予告通りしばらく(?)「キカイダー」話を。
「人造人間キカイダー」映画化の報が出てずいぶんになるんですが、実際撮影はされたんでしょうか?いつ公開なんでしょう?
気になって仕方がないので伴大介さんに聞いたら「俺の方がが知りたいよ。何か知ってたら教えてよ」と仰ってました。そりゃ、そうですよね。伊賀電さんにも「シャリバンはもうやらないのか?」とよく聞かれます(笑)
もちろん伴さんに再びジロー役を…なんて事はないと思いますが、今の伴さんにはぜひプロフェッサーギル役を演って欲しい!と個人的には思います。
さてその映画「キカイダー」の「原作」とされ、突如角川から出版された小説版「キカイダー」。
村枝賢一先生のカバーで「万能鑑定士Q」シリーズ(これも映画化がアナウンスされて久しい)の松岡圭佑著!
角川的に磐石の布陣によるこの大作(万能鑑定士3冊分にあたるボリューム!この間に万能鑑定士出して欲しかったという声も。僕もその一人)
読む前まで楽しみで楽しみで楽しみで楽しみで仕方ありませんでした。
楽しみすぎだったからか、読中、読後になんともいえず脱力感が…。
いや、面白いんですよ。読み物として。松岡圭佑らしい現実の事象(実在の人名、地名など)とフィクションの絶妙のダブらせ方とか。
特にテレビ版における当時ならではの無茶設定や演出を現代科学考証でリアルっぽく見せる描写が多く(…というかそれしかない)いわゆるまた「リブート」作業がなされる訳ですが…
漫画原作とも違う10年ぐらい前に出たエィミートムスンの小説「ヴァーチャル・ガール」みたいな読み味。
機械の思考や感情を読む(ジローはもとよりアンドロイドマンにすら)という不思議な体験が出来るし何度も書きますが読み物としてとても面白い。
ミツコさんが「ときメモガールズサイド(実名が出る)」にハマってる引きこもり女子大生という設定は個人的にツボでした。仮想現実男子にハマる乙女の妄想が仮想現実の塊であるジローへのミツコの想いに書き換えられているという事です…そう書いちゃうと何だかなぁとも思いますが。
伴大介さんは「海辺で戯れるミツコとジローのシーンが美しかった」と(自らが演じるように)仰ってました。
今でも伴さんの瞳はジローの頃と同じくキラキラしてると思います。
…でも、「これじゃない」感はリブート作品にはどれにもあるにしろ、この小説、「キカイダーの映画原作」としてはどうなんだろう?と感じました。
これの映像化が観たいか!?というのが一番の疑問。
「キカイダー」のリメイクはアニメや漫画でも試みられ(「009」と同じく恥ずかしくて観てられなかった)ていますが…
せっかくの、満を持して(満を持しすぎの)実写映画化。もう少し別のアプローチがあってもいいのでは?と。
僕は勝手に「キカイダー」を一級のファンタジックメロドラマだと思っているので、小説としてのアプローチとしては面白かったですけど、これの映像化には疑問です。
何やら最近の「リブート」作品は昔、注意深く押し隠していた作品の裏側の(裏側にして本当の)テーマを表に無防備に曝け出して見せている気がします。
次から「昔のキカイダー」が子供向けヒーロー番組の中に押し隠していた(そしてそれを見つけるのがとても楽しかった)テーマについて僕なりの感想として書いていきます。
主に原作漫画(これも珠玉の名作。石森ヒーロー漫画の代表作と呼ばれるに相応しい)よりテレビシリーズよりの話になると思いますが…
未見の人(はココの読者にはいないか)に。40年も前の作品ですが、観て頂ける(あるいは観かえして頂ける)きっかけになればと思います。