複数のWebページを比較しながら作業していると、タブを何度も切り替えることが負担になる。資料を確認しながら文章を書いたり、商品の価格や仕様を比較したりする場面では、二つのページを同時に表示できると便利だ。

こうした操作をブラウザ内で行えるのが、Vivaldi に標準搭載されている「タブタイリング(Tab Tiling)」機能である。追加の拡張機能をインストールしなくても、複数のWebページを左右・上下・グリッド状に並べられる。基本操作はタブの選択とドラッグだけで、初心者でも比較的簡単に利用できる。

この記事では、Vivaldiで画面を分割する具体的な手順、表示レイアウトの変更方法、便利な活用例、操作できない場合の確認事項を解説する。

1. Vivaldiの画面分割とは?タブタイリングの仕組みと特徴

Vivaldiの画面分割は、一つのブラウザウィンドウ内に複数のWebページを同時表示する機能である。正式には「タブタイリング」と呼ばれ、開いているタブを並べて表示することで、ページ間の移動を減らせる。

通常のタブ切り替えでは、一度に表示できるページは基本的に一つだ。一方、タブタイリングでは、それぞれのページを独立した表示領域に配置できるため、片方の情報を確認しながら、もう片方のページを操作できる。

例えば、左側に技術資料、右側に入力フォームを表示すれば、内容を確認するたびにタブを切り替える必要がなくなる。

画面分割とOSのウィンドウ分割は何が違う?

Windowsのスナップ機能やmacOSのSplit Viewでも、複数のウィンドウを並べられる。ただし、これらはOS側でアプリケーションやウィンドウを配置する仕組みだ。

ブラウザのタブタイリングは、一つのウィンドウ内で複数のタブを整理できる点が異なる。

Vivaldiでは、主に次の表示方式を選択できる。

  • 左右分割:二つ以上のページを横並びに配置する

  • 上下分割:ページを縦方向に並べ、上下で比較する

  • グリッド表示:複数ページを格子状に配置する

  • カスタム配置:既存の分割領域にタブを追加し、配置を調整する

2026年1月に公開されたVivaldi 7.8では、タブをページ内へドラッグして画面分割を作成する操作が強化された。従来の右クリックメニューに加え、表示したい位置へ直接タブを移動できるようになっている。

ブラウザを切り替えたり、複数のウィンドウを管理したりすることなく、必要なページを一画面に集められるのが特徴だ。

2. Vivaldiで画面を分割する基本手順

方法① タブをドラッグして左右に分割する

Vivaldiの画面分割を初めて利用するなら、ドラッグ操作から試すと分かりやすい。

まず、同時表示したいWebページを二つのタブで開いておく。例えば、左側にニュース記事、右側に関連資料を表示する場合を考えてみよう。

操作手順

  1. 分割表示したい一方のページをアクティブにする。

  2. タブバーから、もう一方のタブをマウスでつかむ。

  3. 開いているページの左端または右端へドラッグする。

  4. 分割先を示すガイドが表示されたら、マウスボタンを離す。

  5. 二つのページが同じウィンドウ内に並んで表示される。

分割した後でも、それぞれのページを個別にスクロールできる。リンクを開いたり、フォームへ入力したりする操作も可能だ。

画面の上下にドラッグすれば、上下分割も作成できる。なお、ドラッグによる分割操作はVivaldi 7.8以降の機能を前提としているため、古いバージョンでは利用できない場合がある。

方法② 複数のタブを選択して画面分割する

すでに複数のWebページを開いている場合は、タブをまとめて選択する方法が便利だ。

WindowsではCtrlキー、macOSではCommandキーを押しながら、分割表示したいタブをクリックする。連続するタブを選ぶ場合は、Shiftキーも利用できる。

その後、選択したタブのいずれかを右クリックし、タイル表示に関するメニュー項目を選択する。

これで、選択したページを一つの画面内に配置できる。

この方法は、複数の資料をあらかじめ開いてから比較するときに向いている。タブを一つずつ移動させる必要がなく、三つ以上のページもまとめて表示できる。

方法③ ステータスバーから分割レイアウトを変更する

画面下部のステータスバーには、ページのタイル表示を切り替えるボタンが用意されている。

ボタンをクリックすると、左右、上下、グリッドなどのレイアウトを選択できる。

例えば、左右に並べた二つのページが読みにくい場合、上下表示に変更することで、横幅を確保できる。

タブを選択していない状態でも、アクティブなタブと直前のタブを分割表示できる操作が用意されている。

ステータスバーが見当たらない場合は、表示設定で非表示になっていないか確認するとよい。

3. 画面分割を使いやすくする設定と便利な操作

分割したページの表示サイズを調整する

画面分割を利用すると、それぞれのページに割り当てられる表示領域が小さくなる。

特に、横長の表や画像が多いWebサイトでは、均等に分割すると内容を確認しづらくなることがある。

Vivaldiでは、分割されたページの境界線をドラッグして、それぞれの表示サイズを調整できる。

例えば、左側の参考資料を30%程度、右側の作業ページを70%程度にすれば、資料を確認しながら入力作業を進めやすい。

ただし、ページの構造によっては、表示幅が狭くなることでメニューが折りたたまれたり、スマートフォン向けに近いレイアウトへ切り替わったりする場合がある。

見やすさを優先して、表示比率を調整することが重要だ。

ショートカットキーで表示方法を切り替える

画面分割を頻繁に利用する場合は、キーボードショートカットも覚えておくと便利だ。

標準設定では、次の操作が用意されている。

表示方法 Windows・Linux macOS
左右方向の分割 Ctrl + F9 ⌘ + F9
上下方向の分割 Ctrl + F8 ⌘ + F8
グリッド表示 Ctrl + F7 ⌘ + F7

これらは既存のタブ選択やタイル表示の状態に応じて動作する。OSやショートカット設定によって異なる場合もあるため、反応しない場合はブラウザのキーボード設定を確認したい。

クイックコマンドから「Tile Vertically」「Tile Horizontally」「Tile to Grid」などの操作を検索する方法もある。

タブスタックと組み合わせてページを整理する

複数の資料を扱う人には、タブスタックとの併用が役立つ。

タブスタックとは、関連するタブを一つのグループにまとめる機能だ。

例えば、商品調査では製品仕様、レビュー、価格情報を同じスタックに整理しておき、必要になった段階でまとめてタイル表示できる。

タブスタックはページの分類、タブタイリングはページの同時表示という役割を持つ。

この二つを使い分ければ、多数のタブを開いたままでも、現在必要な情報を見つけやすくなる。

画面分割を解除して通常表示に戻す

作業が終わったら、分割表示を解除できる。

ステータスバーのタイル表示ボタンから解除操作を選択するほか、分割されたタブのタイトル部分に表示される解除ボタンも利用可能だ。

分割を解除しても、通常は開いていたタブ自体が閉じられるわけではない。各ページは引き続きタブとして残るため、後から再表示できる。

4. Vivaldiの画面分割が役立つ具体的な利用場面

資料を確認しながら文章を作成する

レポートやブログ記事を書く際、参考資料と編集画面を行き来すると、作業の流れが途切れることがある。

画面分割を利用すれば、左側に参考記事や調査資料、右側にWebベースの文章編集画面を配置できる。

引用元の内容を確認しながら文章を書けるため、情報を記憶してから別のタブへ移動する負担を減らせる。

ただし、分割表示だけで引用情報の正確性が保証されるわけではない。統計値や公開日、引用条件は元資料で確認する必要がある。

ECサイトの商品比較を効率化する

オンラインショッピングでは、複数の商品の価格や仕様を比較する機会が多い。

例えば、ノートパソコンを選ぶ場合、二つの商品ページを左右に表示し、CPU、メモリ、重量、保証条件などを見比べられる。

複数サイトの価格を比較する場合も同様だ。

ただし、表示される価格には送料や税金、キャンペーン条件が含まれていない場合がある。画面分割は比較をしやすくする機能であり、購入条件そのものを統一するものではない。

翻訳や語学学習で原文と訳文を並べる

外国語の資料を読む場合、原文と翻訳ページを同時表示すると、文章の対応関係を確認しやすくなる。

左側に英語の記事、右側に日本語訳を配置すれば、分からない表現を確認しながら読み進められる。

語学学習だけでなく、海外の技術資料やソフトウェアの説明書を読む場面でも実用的だ。

ただし、自動翻訳には文脈の取り違えや専門用語の誤訳があるため、重要な内容は原文と照合することが望ましい。

こうした利用例は、Vivaldi Technologiesが公開しているタブタイリングの解説でも紹介されている。公式の使用事例は機能の用途を理解する参考になる一方、実際の時間短縮効果は作業内容や利用環境によって異なる。

5. 画面分割できない場合の確認事項と使い方の注意点

タイル表示の項目が見つからない

右クリックメニューに分割表示の項目が見当たらない場合は、複数のタブが正しく選択されているか確認する。

また、メニューの表示内容はブラウザのバージョンやカスタマイズ設定によって異なる。

必要な項目が表示されない場合は、ステータスバーやクイックコマンドから操作できるか試すとよい。

ドラッグ操作が利用できない場合は、ブラウザが対応バージョンに更新されているかを確認する。

複数ページを表示すると動作が重くなる

画面分割では、複数のWebページを同時に表示するため、ページの内容によってはメモリやCPUへの負荷が増える。

動画配信、地図、リアルタイムで更新されるダッシュボードなどを複数表示すると、負荷が大きくなる場合がある。

そのような場合は、表示するページ数を減らしたり、不要な拡張機能を停止したりすると改善する可能性がある。

画面分割そのものが原因とは限らないため、通常表示でも動作が重いか確認することが重要だ。

多くのページを並べれば便利になるとは限らない

タブタイリングでは複数のページを並べられるが、実用的なページ数には画面サイズによる制約がある。

一般的なノートパソコンでは二画面表示から始め、必要に応じて三画面以上へ増やすのが現実的だ。

また、ブラウザ内の分割表示と、OSのウィンドウ分割は目的に応じて使い分けたい。

異なるアプリケーションを同時に操作する場合はOS側の分割機能が適していることもある。反対に、Webページ同士の比較が中心なら、ブラウザ内で完結するタブタイリングが扱いやすい。

なお、本記事で説明した操作は主にデスクトップ版を対象としている。スマートフォン版では画面構成や利用可能な機能が異なるため、同じ手順をそのまま適用できるとは限らない。

まとめ|複数のWebページを同時に見るなら画面分割を活用しよう

Vivaldiで画面を分割するには、表示したいタブを選択してタイル表示を実行するか、対応バージョンでタブをドラッグして配置する。

左右分割、上下分割、グリッド表示を使い分ければ、文章作成、資料比較、商品調査、語学学習など、さまざまな作業でページの切り替えを減らせる。

初めて利用する場合は、二つのWebページを左右に並べ、境界線を動かして表示幅を調整するところから始めるとよい。

ブラウザの操作環境や英語版の機能情報を確認したい場合は、Vivaldi の英語向けページも参照しながら、対応するデスクトップ環境や利用したい機能を整理できる。

画面分割は、常に多くの情報を表示するためのものではない。必要なページを必要なときに並べることで、日常の閲覧や作業を無理なく進められることに価値がある。