インターネットを利用する時間が長くなるほど、ブラウザの使いやすさは日々の作業効率に影響する。複数のページを開いて調べものをしたり、仕事と私用のタブを整理したりする際、従来のブラウザでは操作に手間を感じることもある。

こうした課題に対応するのが、自由度の高いカスタマイズ機能を備えたWebブラウザだ。Vivaldi は、タブ管理、画面分割、広告・トラッカーのブロックなどを標準搭載し、自分の閲覧習慣に合わせて操作環境を整えられる。初心者でも基本的な使い方から始められ、必要に応じて機能を追加していける点が特徴だ。

本記事では、ブラウザの基本的な仕組みから便利な機能、初期設定、日常的な活用方法までを解説する。

1. Vivaldiブラウザとは?基本情報と他のブラウザとの違い

Vivaldiブラウザは、ノルウェーのVivaldi Technologiesが開発する無料のWebブラウザである。Google ChromeやMicrosoft Edgeと同じChromium系の技術を基盤としており、一般的なWebサイトや多くのChrome拡張機能を利用できる。

最大の特徴は、ブラウザの操作方法を利用者自身が細かく調整できることだ。タブバーの位置、画面の配色、ツールバーの配置、キーボードショートカットなどを変更できる。

Chromeがシンプルな操作環境とGoogleサービスとの連携を重視する一方、Vivaldiは閲覧環境を自分好みに整えたい利用者に向いている。

例えば、調査資料を頻繁に確認する人はタブを縦方向に配置し、複数のページタイトルを見やすくできる。仕事と趣味の情報が混在しやすい人は、ワークスペースを分けて管理することも可能だ。

ブラウザ市場ではChromeの利用割合が高い。Statcounter GlobalStatsによると、2026年9月の世界全体のブラウザシェアはChromeが66.36%、Safariが18.27%、Edgeが6.04%だった。ただし、これはWebページ閲覧データに基づく推計であり、使いやすさや安全性の順位を示すものではない。

利用者数の多さだけでなく、日々の操作に必要な機能が備わっているかもブラウザ選びの重要な判断材料になる。

2. Vivaldiの主な特徴と日常で役立つ便利な機能

タブスタックとワークスペースで閲覧ページを整理する

ブラウザで多くのページを開くと、目的のタブを探すだけでも時間がかかる。

Vivaldiのタブスタック機能では、関連する複数のタブを一つのグループにまとめられる。例えば、旅行計画で航空券、宿泊施設、観光情報を調べる場合、それぞれのページを同じグループに整理できる。

ワークスペースは、作業内容ごとにタブの表示を切り替える機能だ。「仕事」「学習」「プライベート」などの名前を付けて分類でき、現在必要なページに集中しやすくなる。

タブスタックが関連ページをまとめる仕組みであるのに対し、ワークスペースは作業単位で閲覧環境を区切る点が異なる。

画面分割で複数のWebページを比較する

画面分割機能を利用すると、複数のWebページを一つのウィンドウ内に並べて表示できる。

例えば、オンラインショップで商品の仕様を比較するとき、二つの商品ページを左右に配置すれば、タブを何度も切り替える必要がない。

翻訳文と原文の比較、資料を参照しながらの文章作成、統計データの確認にも役立つ。

ただし、ノートパソコンの小さな画面では表示領域が狭くなるため、比較するページ数を増やしすぎないことが大切だ。

広告ブロックとプライバシー保護

Vivaldiには、広告やWebトラッカーを制限する機能が標準搭載されている。

トラッカーとは、Webサイトをまたいで閲覧行動などの情報を収集する仕組みを指す。トラッカーのブロックは、こうした追跡の一部を防ぐ目的で利用される。

設定画面では「ブロックなし」「トラッカーをブロック」「トラッカーと広告をブロック」といった保護レベルを選択できる。

ただし、すべての広告や追跡を完全に防げるわけではない。また、広告ブロックによって動画再生やログイン機能が正常に動作しなくなるサイトもある。その場合は、サイトごとに設定を見直すとよい。

メモ、Webパネル、メール・カレンダー機能

デスクトップ版では、閲覧中の情報を保存できるメモ機能や、特定のWebサイトをサイドバーに表示するWebパネルも利用できる。

調査中に見つけた情報をメモに残したり、作業画面を維持したまま別のサービスを確認したりできるため、複数の作業を並行する人には便利だ。

さらに、メールクライアント、カレンダー、RSSフィードリーダーも内蔵されている。

RSSとは、ニュースサイトやブログなどの更新情報を取得するための配信形式である。定期的に読むサイトを登録すれば、更新内容をまとめて確認できる。

これらは必要に応じて有効化できるため、すべての機能を最初から使う必要はない。

3. Vivaldiの使い方|インストールから初期設定まで

ブラウザのインストールと基本設定

Vivaldiのインストール方法は一般的なブラウザと大きく変わらない。

まず、利用するOSに対応したバージョンを入手し、画面の案内に従ってインストールする。デスクトップ版はWindows、macOS、Linuxに対応しており、スマートフォン向けにはAndroid版とiOS版も提供されている。

初回起動時には、テーマやタブの配置などを設定できる。細かな項目が多く感じられる場合は、標準設定のまま使い始めても問題ない。

普段利用している検索エンジンを選び、必要なブックマークを登録するだけでも日常利用を始められる。

Chromeなどから移行する場合は、設定画面にあるデータのインポート機能を確認するとよい。対応するブラウザやデータ形式に応じて、ブックマークなどを移行できる。

タブグループと画面分割の操作方法

Vivaldiのタブ管理を試すなら、最初は二つのページを開くだけで十分だ。

タブスタックを作る場合は、関連するタブを別のタブの上へドラッグしてまとめる。グループ化したタブには名前を付けることもできる。

画面分割では、WindowsならCtrlキー、MacならCommandキーを押しながら複数のタブを選択し、右クリックメニューから分割表示を選ぶ。

ワークスペースは、タブバーなどに配置されたワークスペースボタンから新規作成できる。名前を設定した後、必要なタブを移動すれば、用途別の閲覧環境が整う。

メニュー名称や操作位置はバージョン、OS、画面設定によって異なる場合がある。

ブックマークと設定を複数端末で同期する

PCとスマートフォンを併用する人には、Vivaldiの同期機能が便利だ。

設定画面の「同期」からアカウントにログインし、暗号化パスワードを設定する。その後、同期したいデータを選択すると、対応端末間でブックマーク、保存したパスワード、履歴、開いているタブなどを共有できる。

同期データにはエンドツーエンド暗号化が採用され、暗号化パスワードは端末側で使用される。

ただし、同期機能はバックアップの代わりにはならない。暗号化パスワードを忘れ、復元に必要な情報やローカルデータも失った場合、保存情報を取り戻せない可能性がある。

重要なブックマークは別途バックアップしておくと安心だ。

4. 初心者におすすめの設定とブラウザ活用例

最初は三つの設定から始める

Vivaldiには豊富な設定項目があるが、初心者がすべてを理解する必要はない。

まず見直したいのは、タブの表示位置、広告・トラッカーのブロック、ブックマークの管理方法の三つだ。

画面が横に広い場合は縦型タブを試し、Webサイトの表示が煩雑に感じられる場合は広告ブロックを調整する。頻繁に利用するサイトはブックマークバーやスピードダイヤルに登録すると、毎回検索する手間を減らせる。

操作に慣れてから、マウスジェスチャーやキーボードショートカットなどを追加すればよい。

仕事や学習では情報の整理に役立つ

例えば、レポートを作成する学生なら、参考文献をタブスタックにまとめ、執筆画面と資料を左右に並べる使い方が考えられる。

仕事で複数の案件を担当する人なら、案件ごとにワークスペースを作成しておくと、関係のないタブが混在しにくい。

趣味の情報収集では、RSSフィードを利用して複数のニュースサイトやブログの更新情報を確認できる。

いずれの場合も、必要な情報へ戻りやすくすることが目的であり、機能を多く使うこと自体が重要なのではない。

利用前に理解しておきたい注意点

多機能なブラウザには、便利さと引き換えに設定の複雑さもある。

拡張機能や多数のタブを利用すれば、端末のメモリ使用量が増える場合がある。タブの休止機能は負荷を抑える助けになるが、すべての環境で動作が軽くなるとは限らない。

また、デスクトップ版とモバイル版では利用できる機能に違いがある。メールやカレンダーなど、デスクトップ向けに提供される機能をスマートフォンでも同じように使えるとは限らない。

ブラウザのプライベートウィンドウについても、閲覧履歴を端末に残しにくくする機能であって、通信を匿名化する仕組みではない。

こうした違いを理解し、実際の利用環境に合わせて設定することが大切だ。

5. まとめ|自分に合ったブラウザ環境を整えるために

Vivaldiブラウザは、タブ管理、ワークスペース、画面分割、プライバシー設定などを一つのブラウザで利用できることが特徴だ。

特に、複数のWebページを日常的に扱う人や、閲覧環境を細かく調整したい人には、一般的なブラウザとは異なる使いやすさがある。

一方、Webサイトを少数のタブで閲覧するだけなら、豊富な機能が必ずしも必要とは限らない。使い慣れたブラウザと並行して試し、自分の作業に必要な機能を見極めるのが現実的だ。

デスクトップ環境から使い始め、タブ管理や同期機能を理解したうえで、ほかの端末へ利用を広げる方法もある。英語で提供される機能情報や利用環境を確認したい場合は、Vivaldi の英語向けページも参考にしながら、対応OSや設定内容を比較するとよい。

大切なのは、ブラウザに自分の操作を合わせるのではなく、日々の閲覧習慣に合った環境を無理なく整えることである。